フィンセント・ファン・ゴッホは、パリの画商店で大量の浮世絵と出会い、その鮮やかな色彩や質の高さに魅了され、自身の作品に積極的に取り入れた画家。肖像画の背景に浮世絵を描き込んだり、浮世絵の模写をしたりと、日本美術への興味・関心がうかがえる作品を多く描いている。
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」では、「ファン・ゴッホのジャポニスム」「日本人のファン・ゴッホ巡礼」の二部に分けて構成され、ゴッホと日本の関係性を検証するもの。
第一部「ファン・ゴッホのジャポニズム」では、浮世絵の模写や、構図や色彩の表現様式など、日本の影響を受けた作品約40点を通じて、ゴッホが日本に対する思いをどのように作品に投影したのかを辿っていく。さらに、ゴッホが日本に魅了されるきっかけとなった浮世絵を含む日本美術作品、約50点も展示される。
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第二部「日本人のファン・ゴッホ巡礼」では、ゴッホの死後、故人の生涯や作品に強い憧れを抱いた日本の小説家や学者、美術家など約240人がゴッホ終焉の地オーヴェール(フランス)を訪れた記録「芳名録」を紹介。また、巡礼によって描かれた作品や当時の写真、手紙などを含め、約90点の豊富な資料を公開する。