ゴッホから村上隆まで。
ボストン美術館の至宝80点がこの夏東京に集結

50万点のコレクションを誇るアメリカのボストン美術館から、約80点の珠玉の名品が来日する展覧会「ボストン美術館の至宝展」が7月20日から東京都美術館で開催される。この開催を前に、2月22日に同館で記者会見が行われた。

サポーターとして登場したイッセー尾形

 ボストン美術館は1876年にボストンの財界、教育界、文化界を代表する有志によって設立した非営利の民間法人。日本とも深いつながりがあり、画家・岡倉天心が東洋部門の美術部長として務めた美術館としても知られている。そのコレクションは、現在50万点にも及ぶが、国や州からの財政援助を受けずに、個人コレクターやボストン市民からの寄贈や寄付などによって拡充されてきた。

 本展では、そんなボストン美術館のコレクション形成に寄与した収集家やスポンサーたちに敬意を表するとともに、同館が誇る膨大なコレクションのなかから、古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術にいたるまで、古今東西の作品が揃う展覧会。

 なかでも10万点の所蔵を誇る日本美術からは、曾我蕭白の代表作のひとつである《風仙図屏風》(1764)や、喜多川歌麿の晩年の作、《三味線を弾く美人図》(1804-06)などが展示。ボストン美術館で約170年ぶりに修復が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作《涅槃図》(1713)は、1886年以前に美術史家のアーネスト・フェノロサが購入して以来、初の里帰りとなる。

 また本展では、ゴッホによる2つの肖像画にも注目だ。ゴッホは南仏・アルルで郵便配達人のジョゼフ・ルーランを数多く描いているが、本展ではゴッホがジョゼフを初めて描いた《郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン》(1888)が特別出品される。また、その妻オーギュスティーヌをモデルにした《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》(1889)も展示。ルーラン夫妻の肖像が揃って初展示されるのは今回が日本初となる。

 なお、本展ではサポーターとしてタレント・木梨憲武と俳優・イッセー尾形が就任。記者会見にはイッセーが登壇し、本展にあわせて制作した人形劇の新作「ルーラン夫妻、ゴッホに困る」を披露する場面も見られた。

 

編集部

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