「文化」が持つレジリエンスの力
シュミロヴィチは、渋谷にオファーを出した理由を次のように説明した。リヴィウの文化プロジェクトの根底には、同地出身のユダヤ人SF小説家であるスタニスワフ・レム(1921〜2006)の存在がある。レムは1950〜60年代にアンドロイドなどを登場させながら「人間と非人間(機械/ロボット)のつながり」を思考した作家だ。レムの存在を起点にセクション内容を検討した際、アンドロイドを用いた作品を手がけている渋谷に白羽の矢が立った。また、大事な人の死という深い苦しみを文化芸術とともに乗り越えてきた渋谷のバックグラウンドそのものが、リヴィウ市が考える、文化芸術の力である「ケア」の体現者として適任であると判断された。

また、アンドロイドをはじめとしたテクノロジーに対して、シュミロヴィチは、先日視察した大阪公演のなかで展開されたアンドロイドとの対話のシーンを回想しながら、「ウクライナでは現在も毎月多くの命が失われており、それは皮肉にもロボットやドローンといった現代のテクノロジーによってもたらされている。テクノロジーは人を殺すために使うべきものではない。人を癒し、ケアするために使うべきであり、人間はテクノロジーと対話を重ねる必要がある」とコメントした。




















