音楽家・渋谷慶一郎が代表を務めるアタック・トーキョー株式会社(ATAK)は、11月5日にサントリーホールで「アンドロイド・オペラ『MIRROR』-Deconstruction and Rebirth -解体と再生-」を発表する。
アンドロイド・オペラ『MIRROR』は、渋谷が作曲・プロデュースするもので、AIを搭載したアンドロイドが歌い、60名超のオーケストラ、ピアノ、電子音、映像、そして1200年の歴史を持つ仏教音楽の声明が融合する作品だ。これまでにドバイ万博やパリ・シャトレ座で上演され、昨年の東京公演ではチケットが即完売するなど、国内外で注目を集めてきた。

本作は、今年6月にPRADA MODE OSAKAで初披露された「アンドロイドマリア」が初めてステージに立つ機会。「アンドロイドマリア」は、渋谷がかつて喪った最愛の妻“マリア”をモデルとしたアンドロイドであり、「死はひとつではない」という『THE END』以降の渋谷の一貫したテーマを具現化も意図している。

AIによるコンセプトデザインと会話プログラムを手がけたのはアーティスト・岸裕真。また、近年のアンドロイド・オペラでアンドロイドプログラミングを担当するコンピュータ音楽家・今井慎太郎、東京大学教授・池上高志といった長年のコラボレーターに加え、強力なエンジニア陣の協力を得て現在も開発が進められている。
「Deconstruction and Rebirth-解体と再生-」と銘打つ本公演は、新作の上演を含むほか、これまでの作品の脱構築と再構成、そして生と死そのものの境界を問い直すことで、解体と再生、人間とアンドロイドの間に新しい希望や可能性を模索する試みだという。ヴァイオリニスト・成田達輝が率いる若手気鋭の凄腕オーケストラがアンドロイド、電子音と鮮烈に協奏するのも大きな見所となる。
なお公演では、ステージ上のみならず客席側にも演奏者や声明による歌唱が配置。空間そのものが楽器となるような、ホール全体を使った立体的な音楽体験が展開される点も注目だ。音響を手がけるのは、日本を代表するエンジニア/アーティストのZAK。またステージ上部には大型スクリーンを設置予定となっており、映像演出は大阪・関西万博フランス館のアーティスティックディレクターを務めたビジュアルアーティストのジュスティーヌ・エマールが担当する。























