蜷川実花 with EiMが手がける「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 ―時をこえ、華ひらく庭―」が、2026年2月1日〜5月24日の会期で京都・北野天満宮を舞台に開催される。
「KYOTO NIPPON FESTIVAL」は2016年に誕生し、日本の美と文化を京都から発信してきたフェスティバルで、2026年に10周年を迎える。節目となる今回は、蜷川実花を中心に、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーを務めた宮田裕章をはじめとするクリエイティブチームEiMが参加。さらに、ダンスカンパニーDAZZLEと協働し、北野天満宮では初となるイマーシブ公演に挑む。
本企画では、北野天満宮の梅苑や茶室を活用したアートインスタレーションと、歴史空間そのものを舞台とするイマーシブ公演の2つのプログラムを展開する。数百年の歴史を持つ社殿空間での本格的なイマーシブ公演は日本初の試みとされ、空間の歴史性と現代的な表現が交差する体験を提示する。
インスタレーションは、梅苑を舞台とする《光と花の庭》と、茶室・梅交軒で展開される《残照》の2作品から構成される。京都に根付く「侘び」と「絢爛」という2つの美意識を背景に、蜷川実花 with EiMは光と影を用いて、静謐さと華やかさが共存する空間を立ち上げる。梅の枯木から満開、そして新緑へと移ろう季節の変化とともに、自然光を取り込む作品は刻々と表情を変え、鑑賞者に一回性の体験をもたらす。

《光と花の庭》では、梅苑の木々に吊り下げられた1000本以上のクリスタルが、季節や時間帯によって異なる輝きを放つ。いっぽう、《残照》では、咲き誇る花と枯れゆく花という対照的な状態を茶室空間に共存させ、いのちの循環や時間の不可逆性を静かに示す構成となっている。

また、風月殿を舞台に上演されるイマーシブ公演《花宵の大茶会》は、蜷川実花 with EiMとDAZZLEによるコラボレーション作品。観客が客席に座るのではなく、演者と同じ空間に入り込み、物語の一部として体験するノンバーバル形式の公演だ。400年前に北野天満宮で催されたとされる豊臣秀吉の茶会を着想源に、その「幻の二日目」が現代に立ち上がる。

梅の花から新緑へと移ろう季節のなかで、日本の歴史と自然、そして現代表現が重なり合う本フェスティバルは、没入体験の新たな可能性を提示する試みとなりそうだ。
























