国立新美術館で「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催。約400点を通じて森英恵のものづくりの全貌に迫る

東京・乃木坂にある国立新美術館で「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催される。会期は2026年4月15日~7月6日。

「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」展示風景 島根県立石見美術館 撮影:小川真輝

 東京・六本木にある国立新美術館で、アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり、日本のファッションを牽引した森英恵の没後初となる回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催される。会期は2026年4月15日~7月6日。

 森英恵は、1950年代にキャリアを開始し、映画衣装の制作を通じて頭角を現すようになる。戦後の高度経済成長期の日本において、家庭を持ちながらデザイナーとして社会的にも大きな仕事を成し遂げる姿は、新しい女性像の先駆けとして注目されるようになった。そんななか、森が1961年に雑誌『装苑』にて新たに提唱したのが「ヴァイタル・タイプ」という人物像である。快活で努力を惜しまないその姿は、森のその後の生き方とも大きく重なるものであった。1965年にはニューヨークコレクションにデビューし、以降、晩年まで世界中で活動を続けた。

 本展は、全5章にエピローグを加えた構成で、オートクチュールのドレス、資料、初公開となる作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにするものとなる。

 第1章「日本の森英恵 ヴァイタル・タイプ」では、森が1961年1月号の雑誌『装苑』で提唱した人物像「ヴァイタル・タイプ」に着目した内容となる。当時の取材記事を取り上げ、森自身が「アーティストであり、働く女性であり、妻であり母である」という新しい女性イメージを牽引する存在だったことや、洋服をつくることを通して創出していた様子をたどる。また、森自身がこの時期に中心的に取り組み、その後の活動を軌道に乗せる大きなきっかけとなった映画衣装の仕事についても紹介される。

森英恵《赤い花柄の男性用アロハシャツ(映画『狂った果実』衣装)》1956年 島根県立石見美術館 撮影:小川真輝
「ひよしや」開店の頃 1950年代半ば 撮影:石井幸之助 提供:森英恵事務所

編集部

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2025.12.12 - 2026.01.24
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