上映する作品は、直接経験したことのない暴力をいかにして語り得るのか、制作者たちが熟考し見る者に問いかけるものだ。美術館やギャラリーでは観客が移動しながら見る映像作品を、今回はあえて、映画館のような「定点」で鑑賞することで、目の前の作品と静かに向き合う時間を取り戻す試みとなる。加えて、映像作品の上映とともに、小林、竹田、三上、アーティストの川久保ジョイのほか、ゲストとして被爆者団体「武蔵野けやき会」会長の松田隆夫、アートコレクティブのBombshelltoe Collectiveを迎え、様々なトークを開催。
また、ホール前のスペースでは映像作品、Phew+Dieter Moebius+小林エリカ「Radium Girls」(4分、2012)を上映。さらに広島、長崎を旅してきたバス「爆心へ」号内での展示の一部と、Hal Xingによる旅の記録、旅の途中で制作してきた作品の一部、爆心メンバーたちの推薦図書などを、自由に観覧可能となる。


16日は、ミュージシャン・寺尾紗穂の企画・選曲、小林の脚本による朗読歌劇「女の子たち風船爆弾をつくる」映像版の上映トークセッションを開催。戦争中に動員され、日比谷の東京宝塚劇場で風船爆弾をつくった少女たちの物語を、ゆかりの地で鑑賞することができる。加えて、風船爆弾の開発をおこなった旧陸軍登戸研究所の歴史を調査・ 保存してきた明治大学平和教育登戸研究所資料館学芸員・塚本百合子をゲストに、寺尾、小林とのトークも開催される。
また、前日の15日にはバス〈爆心へ〉号に乗り、80年目の8月15日、女の子たちの軌跡をともに巡るツアーも開催。運転手は新井、バスガイドは小林が務める。当日は事前予約者を優先に、受付にて先着順に時間を案内。なお「<爆心>をめぐる映像作品上映とトークセッション」のチケット所有者のみ参加可能となる。
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