森美術館が2026年度、ロン・ミュエクと森万里子の大規模個展を開催へ【3/4ページ】

 森万里子は1967年東京生まれ、ニューヨーク、東京および宮古島在住。92年ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート卒業後、93年ニューヨークのホイットニー美術館インディペンデント・スタディ・プログラム修了。97年ベネチア・ビエンナーレで優秀賞受賞、2014年にはロンドン芸術大学から名誉フェローが授与された。2005年のヴェネチア・ビエンナーレでは代表作《Wave UFO》(1999-2002)がを集め、以来世界各地の主要な美術館で個展を開催してきた。ニューヨーク近代美術館(MoMA)やソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ロンドンのテート・モダンなど数多くの美術館に作品が収蔵されている。

森万里子 撮影=下村一喜

 森は、近未来的な世界観と日本のアニメ文化などを融合させたのち、日本の自然信仰、仏教といった古代思想や精神世界、さらには縄文、ケルトなどの古代文化へとその表現を拡張していった。また、量子論、宇宙物理学、神経物理学にも接点を求めて、第一線の科学者やエンジニアともコラボレーション。00年以降は没入型の空間体験を促す大型インスタレーションも制作している。仏教的な宇宙観を起点に、あらゆる物事の相互関連性を希求する「Oneness(万物の一体性)」を表現。10年には自然環境と人類のつながりを考えるパブリックアートを六大陸に恒久的に設置することを目指しファウ公益財団を設立。ブラジルと宮古島で実現している。

森万里子 エソテリック・コスモス:ピュア・ランド 1996-98 写真、ガラス、ステンレス 304.8×609.6×2.2cm