コンサルティング大手のPwCコンサルティングが、初めての現代美術展となる「How to face our problems」を開催する。会期は2月27日〜3月2日。
これまで、PwCは事業として新美術館の基本計画の策定やアーティストのキャリア調査などを実施してきたが、単独で美術の展覧会を企画して開催することは初めてとなる。同社代表執行役CEOの大竹伸明は本展の開催理由として次の3つを挙げている。ひとつは「現代アートを通した重要な課題の共有」で、これは展覧会を通してテクノロジーやエコロジー、地政学といった今日の重要課題について、現代美術を通じて新たな視点の提示を目指すものだ。
もうひとつは「PwCのあり方を伝える機会」。同社のパーパスや経営ビジョン、課題解決への取り組みを伝えるための機会が目指される。そして最後に「クリエイティブやエモーションの重要性」として、同社にとっての新たな視点や体験が得られる機会をつくるという目標を掲げた。
本展には、アルフレド・ジャー、ミリアム・カーン、森万里子、潘逸舟、金光男、涌井智仁の6名の作家が参加する。会場では、現代社会の問題を浮き彫りにするジャーのネオン管の作品や、カーンのペインティングやドローイング計9枚を展示。森はテクノロジーやエコロジーといったテーマを照射する作品を、潘は国境や領土問題といった地政学的な視点を身体でとらえる映像作品を出展。金はチェジュ島の虐殺事件をテーマにした船の大型作品を展示。そして涌井は生成AIを使用した映像作品を出展する。
本展の実務面を担う同社シニアマネージャーの島林秀行は、展覧会のポイントについて次のように語った。「国際的な作家や日本のアートシーンを担う中堅・若手作家を紹介するとともに、自社社員で企画・キュレーションすることで企業として課題解決のための企業の力を育てたい」。