展覧会は5つのセクションから構成されている。導入部「荒原」では、パフォーマーたちのエネルギーが蓄積され、様々な状況がめまぐるしく変化。観客もその流れに巻き込まれていく。「経緯」では、77名(組)のアーティストによる手紙、日記、詩、写真などが展示され、個人的な記憶や未完の思いが綴られる。「影像」では、2000年前後生まれの若いアーティストたちが、メディア論、テクノロジー、エコロジー、記憶といったテーマに挑み、世代独自の視点を提示する。



「瓦舍(がしゃ)」は感情の交差点として、観客とアーティストが予期せぬ相互作用を生み出す場となり、「廃墟」では都市化が進むなかで消えゆく風景が描写される。アーティストたちは絵画という行為を通じて、記録されることのなかった物語を浮かび上がらせている。


初日のパフォーマンスは、演劇、音楽、ダンス、ライブ・ペインティングなど多様な形式で行われた。会場では、その記録映像が複数のスクリーンで非線形的に上映されている。映像は会期中にも更新され、変化を続ける空間として展開される。また、パフォーマンスに使用された小道具が展示空間に点在し、来場者の想像力を刺激する演出となっている。
演者・観客・空間の関係性を再構築する試みであり、文化の実験場としての「劇場」をぜひ会場で目撃してほしい。
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