例えば本展のメインビジュアル作品にも採用された《汀にて》は、新型コロナウイルス感染拡大により、モデルを使った対面の制作ができなくなった諏訪が、家族を介護しながら自宅アトリエで進めてきた静物画研究の集大成。コロナ禍以降「人間を描きたいという気持ちを失ってしまった」と語る諏訪。本作は、アトリエで見出した材料(古い骨格標本、プラスター、外壁充填材など)でブリコラージュした人型(ひとがた)を描いた大型絵画で、絵画のモチーフとなった人型と、その制作途中を記録した素描もあわせて展示される。

Photo by Keizo KIOKU

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また本展では、芥川賞作家の藤野可織が、静物画の制作に没頭する諏訪のアトリエを度々訪問し、その絵の印象をもとに掌編小説を書き下ろし。小説はハンドアウトに印刷して本展の来場者に配布される。諏訪が「死んで静まっているもの」と語る静物画たちがどんな物語となるのか、絵画と文芸のコラボレーションに注目だ。

(C)森山祐子/anan

Photo by Keizo KIOKU

Photo by 筒口直弘


Photo by 南高正
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