《瑠璃坏》ははるか西方でつくられたガラス器で、シルクロードを経て東アジアにもたらされた。銀製の台脚は龍のような文様が表されており、東アジア圏において付け加えられたものとされている。当時のガラス器のなかでも、姿、技法ともに最高水準のものだ。

《黄熟香》は、ジンチョウゲ科の樹木に樹脂が沈着してできた香木で、「蘭奢待(らんじゃたい)」の名でもよく知られている。切り取られた跡も多数あり、足利義政、織田信長、明治天皇が切り取った旨を示す紙箋が付属するなど、日本史とともに歩んだ香木でもある。

《黒柿蘇芳染金銀山水絵箱》は、山水模様の献物箱。黒柿を赤い蘇芳という染料で染めることで生まれた赤みのある茶色地を持ち、各所に施された金銀泥による山々や雲を表現する筆裁きが目を引く。

《桑木阮咸》は円形の胴を持つ、四絃の楽器で、その名勝は中国の「竹林の七賢」の1人で琵琶の名手・阮咸に由来するとされる。背景には八弁の赤い花が、中央には松や竹の下で高士が囲碁を楽しむ様子が描かれている。




















