「⺠藝誕生100年―京都が紡いだ日常の美」が京都市京セラ美術館で開催。民藝と京都の関係性に肉薄【2/3ページ】

 展覧会は6章構成。序章「『⺠藝』という言葉の誕生~木喰仏の発見」では、1925年に柳、河井、濱田らによる木喰仏調査の旅中に生まれた「民藝」の原点を探る。

木喰上人《地蔵菩薩像》1801年 日本⺠藝館蔵

 第1章「上加茂⺠藝協団~新作⺠藝の制作集団」は1927年に京都・上賀茂の地に青田五良、黒田辰秋等によって設立された制作集団・上加茂民藝協団を取り上げる。民藝運動の目的のひとつは、現代の生活用品を新たに産み出すことでもあった。

黒田辰秋 拭漆欅真鍮金具三段棚 1927 河井寛次郎記念館蔵

 第2章「三國荘~最初の『⺠藝館』」は、1928年の御大礼記念国産振興東京博覧会に出品した「民藝館」を契機に設立された静岡・浜松の日本民藝美術館と、その後、大阪・三国に移築された「民藝館」を特集。移築後は「三國荘」として民藝関係者のサロンとなった。

馬ノ目皿 19世紀 アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵

 第3章「式場隆三郎(1898—1965)と自邸」では、精神科医としての医業の傍ら、木喰仏の調査などの運動の当初から関わった式場隆三郎を特集。柳や濱田などが設計に関わった民藝の代表的建築とされる自邸を紹介する。

式場邸 一階応接間 撮影=川島智生

編集部