今週末に見たい展覧会ベスト11。梅津庸一、グッチ、ハニワからモネまで【2/3ページ】

今週開幕

「ハニワと土偶の近代」(東京国立近代美術館

展示風景より、都路華香《埴輪》(1916頃)京都国立近代美術館

 東京国立近代美術館で、「ハニワと土偶の近代」展がスタートした。会期は12月22日まで。会場レポートはこちら

 本展では、ハニワや土偶の実物がずらりと並ぶわけではない。ハニワや土偶が各時代においてどのようにとらえられ、どんな作品のモチーフとなってきたのか。はたまた、ハニワや土偶のブームがいかにして起こったか、といったその裏側を掘り起こし読み解くものとなっている。

 担当のひとりである同館主任研究員の花井久穂は記者発表にて、本展について次のように語っている。「ハニワと土偶に注がれてきた視線の変遷に焦点を当てた展覧会となる。幅広い世代がハニワや土偶の歴史的な意味を踏まえたうえでとらえなおせる展覧会となれば」。

会期:2024年10月1日〜12月22日
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし10月14日、11月4日は開館)、10月15日、11月5日
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円 / 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料

「松谷武判」(東京オペラシティ アートギャラリー

展示風景より

 1960年代に「具体美術協会」(具体)の第2世代として名を馳せた現代美術家・松谷武判(1937〜)。その過去最大規模の回顧展が東京オペラシティ アートギャラリーで始まった。会期は12月17日まで。会場のレポートはこちら

 松谷は1937年大阪生まれ。63年に具体美術協会に加入し松谷は当時の新素材であるビニール系接着剤を用いてレリーフ状の作品を制作。注目を集めた。66年には渡仏し、パリを拠点に版画制作に取り組み始め、ボンドと鉛筆の黒鉛を組み合わせた独自の作品スタイルを確立。さらに、インスタレーションやパフォーマンスの分野でも独自の表現を展開し、87歳を迎えたいまもなお旺盛な創作活動を続けている。現在は世界的なメガギャラリーである「HAUSER & WIRTH(ハウザー&ワース)」が松谷を取り扱っており、国際的な再評価の機運が高まっている。

 本展は、松谷の半世紀以上にわたる制作活動の全貌を紹介する国内初の包括的な展覧会であり、各時期の代表作を含む総数200点以上の作品が展示。これまで発表されていなかった希少な作品や未発表のスケッチブックから最新作まで、松谷の創作活動の軌跡をたどるものとなっている。

会期:2024年10月3日〜12月17日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1, 2, 3)
住所:東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティビル 3F
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休館日:月(祝休日の場合は翌火)
料金:一般 1600円 / 大・高生 1000円 / 中学生以下無料

「GUCCI COSMOS」(京都市京セラ美術館

展示風景より、「ECHOES」セクション。手前のドレスはテイラー・スウィフトが着用したもの

 1921年にグッチオ・グッチによって創設されたイタリアを代表するラグジュアリーブランド「グッチ」。その大規模展覧会「GUCCI COSMOS(グッチ・コスモス)」が、京都市京セラ美術館で開幕した。会期は12月1日まで。会場レポートはこちら

 本展は、上海(2022)、ロンドン(2023)に続く世界巡回展。グッチの日本上陸60周年を記念するものであり、日本での開催は京都だけとなる。同ブランドの100年を超える歴史のなかでも、とくにアイコニックなデザインを世界中から集め、没入型インスタレーションとして展開するこの展覧会は、日本においてこれまでにない規模のグッチ展だ。

 100年以上に渡り紡がれてきたグッチの美意識と卓越した技術。そして様々なアーティスティック・ディレクターたちが星座となり構築してきたその「コスモス」を、京都の地で体感できる。

会期:2024年10月1日〜12月1日
会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊1階、新館 東山キューブ
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は17:00まで
休館日:月(祝日の場合は開館)
料金:一般 2200円 / 大学生 1500円 / 高校生 1000円 / 中学生以下無料 ※京都市内在住・通学の大学生・高校生は無料 ※予約優先制

「モネ 睡蓮のとき」(国立西洋美術館

 東京・上野の国立西洋美術館で「モネ 睡蓮のとき」が開催される。会期は10月5日~2025年2月11日。

 本展では、第一回印象派展の開催から150年を記念するとともに、モネの晩年の活動にフォーカスする。世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む厳選された約50点が来日。日本国内に所蔵される作品も加え、“印象派を超えた” モネの芸術の幅広い展開をエピローグを含む全5章立てで追うものとなる。

 例えば、特定の画題を異なる季節や時間で複数枚を描く「連作」から最晩年のモネにとって重要なテーマであった「睡蓮」も20点以上が出展。また、モネが構想した大装飾画に関連して横3メートルにおよぶ《藤》や《アガパンサス》の装飾画のための習作といった印象派を超えた試みが紹介されるほか、水面に柳がS字形に反映された《睡蓮、柳の反映》、日本の浮世絵からインスピレーションを受けた《日本の橋》などの小型連作までもが展示される。

会期:2024年10月5日〜2025年2月11日
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30〜17:30(金土〜21:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、10月14日、11月4日、2025年1月13日、 2月10日、2月11日は開館)、10月15日、11月5日、12月28日〜2025年1月1日、1月14日
料金:一般 2300円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円

「寺山修司展」(世田谷文学館

渋谷に落成した天井棧敷館の前で(1969)©テラヤマ・ワールド

 演劇、短歌、映画、評論、そのほか数々の分野で功績を残し、表現活動の豊かな可能性を模索した寺山修司(1935~83)。世田谷文学館のコレクションからその功績を紹介する「寺山修司展」が同館で開催される。会期は10月5日〜2025年3月30日。

 寺山は18歳で「短歌研究」新人賞を受賞。その後「俳句」や「短歌」などの定型詩から、自由詩へと創作活動の基盤を移し、歌謡曲の作詞や放送詩(ラジオ)へと活動ジャンルを広げた。そして、30歳を前後する1960年代後半には世田谷区下馬へ移住し、演劇実験室「天井棧敷」を設立。長編小説や戯曲、評論など新たな執筆活動を交えながら、演劇や映画といった芸術ジャンルへと移行していく時期がこの世田谷時代とも言えるのだ。

 生誕90年を記念した本展では、同館の関連コレクションを一堂に展示。自筆の書簡や「天井棧敷」に関する資料(原稿・台本・ポスター)など約150点の資料で、寺山修司の人物像とその活動を紹介するものとなる。

会期:2024年10月5日〜2025年3月30日
会場:世田谷文学館 1階展示室
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10 
開館時間:10:00~18:00 ※展覧会入場、ミュージアムショップは17:30まで
休館日:月(ただし、月曜が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)、館内整備期間(3月10日~18日) 
料金:一般200円 / 高校・大学生150円 / 65歳以上、小・中学生、障害者手帳をお持ちの方 100円
※10月5日は60歳以上入場無料、11月8日は65歳以上入場無料
※11月16日・17日はセタブンマーケット開催に伴い入場無料

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渋谷 - 表参道|東京