中国・杭州で「古道具坂田 僕たちの選択」が開催中。様々な時代・地域の日常にあふれる「美」を一堂に

古美術商であり優れた審美眼の持ち主であった坂田和實の中国初個展となる展覧会「古道具坂田 僕たちの選択」が中国・杭州のBY ART MATTERSで7月21日まで開催中だ。

A selection of the exhibits in the exhibition, Photo by Ichiro Mishima

 古美術商であり優れた審美眼の持ち主であった坂田和實(1945〜2022)。その中国初個展となる展覧会「古道具坂田 僕たちの選択」が中国・杭州のBY ART MATTERSで7月21日まで開催中だ。キュレーターは青柳龍太

 坂田は、日常生活のなかで見過ごされ、打ち捨てられたものにも価値を見出し、美を感じることができると信じていた日本の美術評論家・数寄者だ。その審美眼を持ちながら「古道具坂田」という型破りな古美術店を通じて、古美術業界の常識にとらわれない「美」の概念を紹介し商品として扱ったきた。

 本展は、坂田の生涯にわたる美意識の探求を反映し、様々な時代から400点以上の品々を厳選して展示されている。会場には、紀元前2世紀のアフガニスタンの石器、6世紀のエジプトの織物、2世紀の弥生土器、17世紀のオランダのデルフト陶器、20世紀のアフリカの木工具、18世紀のヨーロッパの家具、そして日々の生活に使われていた古道具など、多種多様な品々が一堂に紹介。さらに、映像や資料、書簡なども紹介されることで、坂田の詩的で深遠な美の世界を包括的に回顧する機会となっている。

 なお、本展の出品作品456点と展示風景を収めた図録も5月下旬に出版予定だ。坂田がその審美眼で見出し、その美学に共感した賛同者の手に渡った品々が、415枚の綴じられていない紙片というかたちで手に取ることができる仕様となっている。

White glazed vase, Photo by Ichiro Mishima
Medicine cabinet, Photo by Ichiro Mishima
Inuit amulet, Photo by Ichiro Mishima
Kazumi Sakata,Photo by Kenmei Nagaoka

編集部

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