美術館は人種差別とたたかう責任と義務がある。ICOM(国際博物館会議)がメッセージ

世界唯一のグローバルな博物館ネットワークであるICOM(国際博物館会議)は、アメリカで起こったジョージ・フロイド殺害事件に寄せ、メッセージを発表した。

ICOMウェブサイトには真っ黒な画像が掲載された

 第二次大戦後の1946年に発足され、世界唯一のグローバルな博物館組織として知られるICOM(国際博物館会議)が、アメリカで起こったジョージ・フロイド殺害事件に関し、メッセージを発表した。

 ICOMは、「美術館は中立ではなく、社会的な文脈や権力の構造、コミュニティの闘争から切り離されているわけではない」としながら、「博物館はあらゆるレベルで人種的不正や黒人差別とたたかう責任と義務を負っている」と強調。「私たちは、世界中の黒人コミュニティの声と成果を増幅しなければならない」としつつ、スミソニアン事務局長でありICOMアメリカ委員会の共同委員長であるロニー・バンチが5月31日に発表した声明を引用している。

 バンチは声明のなかで、「多くのアメリカ人がそうであるように、黒人に対する致命的な暴力事件が目の前で繰り広げられるのを目の当たりにして、私たちは落胆し、取り乱し、愕然とし、怒りを感じてきた。世界的なパンデミックに対処することを余儀なくされただけでなく、私たちは、この国が依然として不平等と人種的分裂によって引き裂かれた国家である、という現実に直面することを余儀なくされている」とコメント。次のような言葉で声明を締めくくっている。

 「国と世界の目がミネアポリスに注がれているこの重要な瞬間に、私たちは正義と平等を求める闘争に参加するだろうか? 私たちは、奴隷制に反対して声を上げ、投票権のために行進し、基本的な平等のために座っていた歴史上の勇敢な人物の呼びかけに耳を傾けるだろうか? 私たちは、建国の理想に生きるために国家に挑戦するだろうか? 奪われた人たちを偲び、国のためにもそうあってほしいと願う」。ロニー・バンチの声明全文はこちらから。

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