代表作『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめ多くの妖怪作品を生み出した水木しげる(19922〜2015)。その生誕100周年を記念した展覧会「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~」が神奈川・横浜のそごう美術館で3月10日まで開催中だ。
水木は、「妖怪」という言葉が一般に広がるきっかけをつくったのみならず、その後も長きにわたり妖怪ブームの原動力を担い続けてきた。生涯に描いた日本の妖怪はじつに1000点近くにのぼるという。
本展は、これまで開催されてきた数ある水木しげる展のなかでも初めて、その妖怪画制作の具体的手法に注目。水木しげるの豊饒な作品世界を解き明かす内容となっている。水木の妖怪画100点以上が一挙公開されているほか、妖怪画を描く参考として収集した書籍や関連資料、妖怪文化人の系譜と著作などもあわせて展示。また、NHK Eテレ「てれび絵本」より本展用に特別編集された「水木しげるの妖怪えほん」も上映され、妖怪への思いを語った水木しげるのインタビューも見ることができる。
現代の日本人に「妖怪」という文化を根付かせた水木が、どのように妖怪と向きあい、描いてきたのか。いまなお多くの人を魅了し続ける水木の世界観を堪能することができるだろう。