共同キュレーターに真鍋大度。「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])
東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で、「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」が12月16日に開幕する。
本展は、メディア・アート分野においてもはかりしれない功績を残した坂本を追悼するとともに、ライゾマティクスの真鍋大度を共同キュレーターとして迎え、坂本の残した演奏データをもとにした作品や国内外のアーティストによる坂本とかかわりのある作品、これまでのICCでの展示などの記録などによって構成。坂本の活動を継承し、展開する、未来に向けた坂本龍一像を提示することを試みるという。参加作家は、Strangeloop Studios、高谷史郎、ダムタイプ、カールステン・ニコライ、404.zero、カイル・マクドナルド、毛利悠子、ライゾマティクス、李禹煥。
会期:2023年12月16日~2024年3月10日
会場:NTT インターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
開館時間:11:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、年末年始(12月28日〜1月4日)、ビル保守点検日(2月11日)
料金:一般 800円 / 大学生 600円 / 65歳以上・高校生以下無料
立体作品も展示。水戸部七絵「座る人"Sit-in"」(アニエスベー ギャラリー ブティック)
東京・南青山のアニエスベー ギャラリー ブティックで、水戸部七絵の個展「座る人 “Sit-in”」が16日にスタートする。
水戸部はこれまで主に「顔」をモチーフに、油絵具を豪快に積層した塑像のような作品を制作し、その作品群を通して、人種や性別による差別や誤解からうまれる社会問題や、政治や資本主義がもたらす経済社会の弊害を映し出してきた。本展では、水戸部が初めて本格的に取り組んだ立体作品と、レコードジャケットを支持体に描いた平面作品、そしてインスタレーションを展示。また、1960年にアメリカで行われた「座り込み」という非暴力的な抵抗運動と、コミュニティを超えジャンルを横断しながら進化を続けるヒップホップ・カルチャーのヒストリーを交差させ、平和的な方法で自由になることを示唆するという。
会期:2023年12月16日~2024年1月21日
会場:アニエスベー ギャラリー ブティック
住所:東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
開館時間:12:00~19:00
休館:日月、2023年12月27日〜2024年1月5日
料金:無料
機械と人間の関係性を問う。「モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン」(ポーラ美術館)
1920年代、第一次世界大戦からの復興によって工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えたヨーロッパの都市。1920〜1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介する展覧会「モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン」展が、16日に箱根のポーラ美術館で開幕する。
本展は、コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が人々の生活を大きく変えようとする現代において、約100年前の機械と人間との様々な関係性を問いかけようとするものだ。フェルナン・レジェの《鏡を持つ女性》(1920)からルネ・ラリックの香水瓶、杉浦非水が手がけたポスター《東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通》、そして空山基による近未来的な立体作品、ラファエル・ローゼンタールによる高さ3メートルにおよぶレンチキュラー作品まで、幅広い年代の作品が一堂に集う。
会期:2023年12月16日〜2024年5月19日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は16:30まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料
外遊100年の節目に。「吉田博木版画の100年」(MOA美術館)
明治から昭和にかけて、水彩画、油彩画、木版画の分野で西洋画壇を牽引した画家・吉田博(1876〜1950)。吉田が本格的に木版画制作を始めるきっかけとなった1923年の外遊から100年の節目を記念し、MOA美術館で「吉田博木版画の100年」が16日より開催される。
本展では、吉田が初めて監修した私家版木版画「米国シリーズ」や、登山家でもある博が毎夏登った日本アルプスを主題とした「日本アルプス十二題」、刻一刻と変化する海をとらえた「瀬戸内海集 帆船」など代表作品を約70点にわたって展示。会場に設置される映像作品では、高精細な作品の映像を投影することで、精巧に表現された吉田の版画を鑑賞することも可能となる。
会期:2023年12月16日〜2024年1月30日
会場:MOA美術館 展示室4-6
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
開館時間:9:30〜16:30 ※入館は16:00まで
休館日:木、1月9日~12日
料金:一般 1600円 / 高大生 1000円 / 中学生以下無料 / 65歳以上 1400円 ※高大生、65歳以上は要学生証、身分証
写真史において唯一無二の存在。「生誕120年 安井仲治 - 僕の大切な写真」(兵庫県立美術館)
日本の写真史において傑出した存在であった安井仲治(1903〜1942)。その回顧展が兵庫県立美術館で開催される。
10代でカメラと出会い、20代半ばに関西の写真シーンで一目置かれるも、38歳の若さで病没した安井。愛知県美術館からの巡回となる本展では、ヴィンテージプリント141点に加え、この展覧会のためにプリントした23点を含むモダンプリント64点を展示。ブロムオイルを使った作品や「半静物」という独自の表現方法、シュルレアリスムに影響を受けた作品、そして晩年の作品まで、短い人生のなかで様々な表現技法を行き来した安井の実践を目撃してほしい。
会期:2023年12月16日~2024年2月12日
会場:兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
電話番号:078-262-1011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月(1月8日、2月12日は開館)、年末年始、1月9日
料金:一般 1600円 / 大学生 1000円 / 高校生以下無料 / 70歳以上 800円
日本彫刻界の巨匠を追悼。特別展「追悼 澄川喜一展」(島根県立石見美術館)
2023年4月に亡くなった島根県吉賀町出身の彫刻家・澄川喜一。その追悼展が島根県立石見美術館で15日に開幕する。
澄川は同館で開館時の2005年から2022年まで、17年にわたり島根県芸術文化センター長(兼 島根県立石見美術館長)を務めました。その間、益田市と居住地である東京とを何度も往来し、郷里である石見地域の文化振興と、街の活性化に力を尽くしてきたという。
澄川は、高校時代を過ごした山口県岩国市で、錦帯橋の魅力に目覚めて以来、長年、木や石の性質を活かした抽象彫刻の制作に従事。母校である東京藝術大学で教授となり後進を育て、同大学の学長に就任。いっぽうで毎年のように新たな作品を新制作協会展や個展で発表し続けた。全国各地で野外彫刻の制作や、都市部の環境造形の仕事も手がけ、なかでも東京スカイツリー(R)のデザイン監修を担ったことで広く世間の注目を集めたことは記憶に新しい。2020年には、こうした数多くの功績が表彰され、文化勲章を受章。本展では、澄川の逝去を悼み、これまで同館に寄贈された作品を中心に、澄川が生涯一貫して追い続けた「そりのあるかたち」をテーマにした作品群約40点を紹介。創作の軌跡を振り返る。
会期:2023年12月15日~2024年2月12日
会場:島根県立石見美術館
住所:島根県益田市有明町5-15 島根県芸術文化センター「グラントワ」内
開館時間10:00~18:00 ※展示室への入場は17:30まで
休館日:火、12月28日~1月2日
料金:一般 300円 / 大学生 200円 / 高校生以下無料
貴重な春画を銀座で。「銀座の小さな春画展」(ギャラリーアートハウス)
今年オープンしたギャラリーアートハウスで「銀座の小さな春画展」が17日まで開催中だ。
本展は、江戸時代に隆盛を極め、明治時代に禁じられた絢爛たる文化「春画」をモチーフに製作された2作品の映画『春画先生』と『春の画 SHUNGA』の公開を記念して開催。浦上蒼穹堂の浦上満の監修のもと、両作の映画内に登場し、現在も世界中の様々なアニメ、映画、漫画、アート作品に影響を及ぼしつづける葛飾北斎「喜能会之故真通」「蛸と海女」が展示されている。また、喜多川歌麿、勝川春潮、歌川国芳、歌川国貞など豪華浮世絵師の作品など江戸時代の春画約50点を木版画である大判錦絵、半紙本、豆判そして肉筆画などバラエティに富んだラインナップで紹介(入場年齢18歳以上)。
会期:2023年10月21日~12月17日
会場:ギャラリーアートハウス(映画館シネスイッチ銀座横)
住所:東京都東京都中央区銀座4-4-5 籏ビル
開館時間:10:00~19:00
休館日:無休
料金:1000円
新作インスタレーションも。「new born 荒井良二 いつもしらないところへ たびするきぶんだった」(千葉市美術館)
千葉市美術館で開催中の「new born 荒井良二 いつもしらないところへ たびするきぶんだった」が17日に閉幕する。
荒井良二は、2005年に日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど、世界的な評価を受けるアーティストだ。本展では、絵画や絵本原画、イラストレーション、そして新作となる立体インスタレーションや愛蔵の小物たちを通して、その創作活動を紹介する。まさに旅をする時のように、先が見えない不安や恐れをも楽しみに変えてしまうような気持ちで活動の幅を広げてきた荒井良二。その旅の軌跡と現在地を語る作品たちからなる、これまでにない展示空間となっている。レポート記事はこちらから。
会期:2023年10月4日〜12月17日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話番号:043-221-2311
開館時間:10:00〜18:00
休館日:10月10日、23日、11月6日、20日、12月4日
料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 高校生以下無料
熱海市内で現代アートに出会う。「ATAMI ART GRANT 2023」(熱海市内)
「ATAMI ART GRANT 2023 『巡−Voyage ATAMI』」が17日に閉幕する。本芸術祭では、参加アーティストによって制作される作品を、行政・企業・個人の協力のもと、熱海市内に展示。PROJECT ATAMI 実行委員会では多種多様なアーティスト間の交流を通じて、様々な角度から熱海の魅力を表現、発信する機会を提供することを目指すというものだ。
今年の参加アーティストは、安里槙、熱海シネマ、伊藤瑞生、井橋亜璃紗、梅原徹、榎倉冴香、兼平翔太、神谷紀彰、宍倉志信、坂井存+TIAR、土井健史、中村岳、原田裕規、副産物産店(矢津吉隆+山田毅)、水田雅也、みょうじなまえ、百瀬文、安村卓士、羊喘兒、渡邉顕人。
会期:2023年11月18日~12月17日
会場:静岡県熱海市内
開館時間:11:00~18:00(受付〜17:00)
休館日:月火
料金:一般 3000円 / 学生 2500円
布に特化した唯一の芸術祭。「FUJI TEXTILE WEEK 2023」(富士吉田市)
1000年以上続く織物の産地、山梨県富士吉田市。ここを舞台としたテキスタイルと芸術が融合する国内唯一の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2023 (フジテキスタイルウィーク)」が17日に閉幕する。
今年で3回目を迎える本イベントは「アート展」と「デザイン展」で構成。テーマを「Back To Thread/糸への回帰むアート展」とし、国内外11組のアーティストがテキスタイルをテーマに、使われなくなった富士吉田の旧日糸屋や工場跡地を舞台に作品を展示している。織物産業を担ってきた建物を保存し、活用していくことも意図されている。総合ディレクターは南條史生、キュレーターにアリエ・ロゼンと丹原健翔。 参加作家はユ・ソラ、ジャファ・ラム、清川あさみ、沖潤子、PACIFICA COLLECTIVES、津野青嵐、顧剣亨、池田杏莉、ネリー・アガシ、ブランシェ・ジムブレレ、筒。レポート記事はこちらから。
会期:2023年11月23日〜12月17日
会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
開館時間:10:00〜16:00
休場日:月
料金:一般 1200円 ※一部無料コンテンツあり
海で制作された新作群。キュンチョメ 「魂の色は青」(黒部市美術館)
黒部市美術館で開催中のキュンチョメによる個展 「魂の色は青」が17日で閉幕する。
キュンチョメ(ホンマエリ、ナブチ)は、制作行為を 「新しい祈り」ととらえ、様々な社会問題や自然災害、そこに関わる人々と正面から向き合い、複雑に絡まる感情や交錯する意見を反映させながら作品に昇華させてきた。2022年以降は、フィリピンやハワイに滞在し現地の圧倒的な自然や、多様な価値観に触れ、思考を更新していった。そして現在、海や大地、あるいは地球そのものに関わりながら 「新しい幸福」のあり方を模索している。
本展の展示作品11点はすべて新作で、海で制作された作品を中心に構成されている。作家は近年、様々な方法で海に潜り続けてきた。全身の力を抜き、環境に身を委ね、息を止めて海の深くまで行き、再び海面へ浮上し、息を吸い込む。その 「呼吸」はキュンチョメにとって生の実感であるとともに、世界と出会い直す瞬間であったとされている。レポート記事はこちらから。
会期:2023年10月7日〜12月17日
会場:黒部市美術館
住所:富山県黒部市堀切1035
電話番号:0765-52-5011
館時間:9:30〜16:30 ※入館は16:00まで
休館日:月(ただし10月9日は開館)、10月10日、11日、11月24日
料金:一般 500円 / 高校・大学生 400円 / 中学生以下無料