ARTISTS

カールステン・ニコライ

Carsten Nicolai

 カールステン・ニコライは1965年旧東ドイツ・カール=マルクス=シュタット(現ドイツ・ケムニッツ)生まれ。アルヴァ・ノト名義でミュージシャンとしても活動。現在ベルリンを拠点に、人間の知覚や自然現象の持つ特性やパターンをテーマとして、美術、音楽、科学の領域を横断する作品を発表している。

 99年にレーベル「raster-noton」を設立し、多様な実験音楽や電子音楽の作品をリリース。坂本龍一、池田亮司とのコラボレーション「cyclo」や、ほかのミュージシャンとの共演でも国際的に知られている。ドクメンタ5(1997)、第49・50回ヴェネチア・ビエンナーレ(2001、2003)など国際展へも多数参加。日本では山口情報芸術センター(YCAM)での個展(2010)のほか、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(2003、2012)、第4回ヨコハマトリエンナーレ(2011)などに参加し、科学的なシステムや数学的パターン、記号論を独自に応用した作品を制作する。

 2015年に坂本龍一と共同で音楽を制作した映画『レヴェナント:蘇えりし者』は「第73回ゴールデン・グローブ賞」作曲賞、「第59回グラミー賞」最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム賞にノミネート。メディアアーティストとして様々な国際展に参加し、13年には「第17回文化庁メディア芸術祭」アート部門大賞を受賞した。