SERIES 2023年の坂本龍一論〜アルバム『12』に寄せて〜

坂本龍一にとって6年ぶりとなるオリジナルアルバム『12』。この発売にあわせ、過去のインタビューを含む複数の記事によって、2023年の坂本龍一論をお届けする。

第5回

坂本龍一、李禹煥に出会う──解体から沈黙へ

坂本龍一が敬愛し、最後のアルバムとなった『12』のジャケットを手掛けたアーティスト、李禹煥。このふたりの実質的な交流の期間は数年間であるが、約半世紀にわたりその思想や作品で通底し合っていたようにも見える。​​年齢や出自が違う彼らをつなぐものとは何か? 本記事は、『12』を紐解くためのコラムの第二弾で、シリーズの最終回。

第4回

日記という表現形式──音楽のエラボレーション

アルバム『12』には、坂本龍一自身の言葉として「日記」というキーワードが寄せられているが、彼が作品制作においてこの言葉を使用するのはこれがはじめてではない。本記事は、『12』を紐解くためのコラムの第一弾。坂本龍一の1980年代からの「パフォーマンス」を「日記」というキーワードとともに振り返り、『聴く』ことの音楽を論じる。

第3回

李禹煥が語る「坂本龍一の音と音楽」

坂本龍一が敬愛するアーティストであり、『12』のアルバムジャケットも手掛けた李禹煥。2022年の夏に「李禹煥」展の関連プログラムとして行われた松井茂(詩人・情報科学芸術大学院大学[IAMAS]メディア表現研究科准教授)との対話のなかで、彼が語った「坂本龍一の音と音楽」についての一部を抜粋・編集しお届けする。

第2回

『美術手帖』坂本龍一特集、6年後の編集後記──『async』と『12』から「坂本龍一」を考える

音楽家ではなく、美術家としての坂本龍一に迫った、2017年の『美術手帖』の坂本龍一特集。その企画に携わり、インタビュアーも務めた詩人で研究者の松井茂と、特集企画の担当編集者であった牧信太郎が、6年前に坂本龍一特集をつくりながら考えたこと、そして新しいアルバム『12』を聴きながら考えたことを語る。

PREMIUM

第1回

坂本龍一ロング・インタビュー。あるがままのSとNをMに求めて

雑誌『美術手帖』2017年5月号の坂本龍一特集より、冒頭を飾った坂本龍一のロングインタビューを公開。坂本龍一が考えるS(サウンド)とN(ノイズ)、そしてM(ミュージック)とはなんなのか? 17年のアルバム『async』の制作のほとんどを行ったというニューヨークで坂本が語った言葉に注目。