2023.10.12

美術館における初の大回顧展。「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」が東京都現代美術館で開催へ

現代作家・豊嶋康子の美術館における初の大規模個展「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」が東京都現代美術館で開催される。会期は12月9日〜2024年3月10日。

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 現代作家・豊嶋康子の美術館における初の大規模個展「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」が東京都現代美術館で開催される。会期は12月9日〜2024年3月10日。

 豊嶋は1967年生まれで、93年に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程修了。90年に発表された初期作品《エンドレス・ソロバン》や《鉛筆》といった、物の使用法や構造に従いながら機能を宙吊りにする表現方法に始まり、90年代後半には、銀行での口座の開設や株式の購入、生命保険への加入といった社会・経済活動などの特定のシステムをテーマとした《口座開設》《ミニ投資》を発表。その後も30年以上にわたって、人々を取り巻く様々な制度や価値観、約束事に対して「私」の視点から独自の仕方で対峙し続けてきた。

 本展は、こうした豊嶋の制作の全貌を、初期作品から新作までの約400点から検証する初めての試みとなる。作家としてのデビューを飾った《マークシート》や《エンドレス・ソロバン》を、全面修復のうえ33年ぶりに公開。オリジナルのインスタレーションを受け継ぐかたちで展示される。

 会期中には、アーティストトークや対談、ボランティアや学芸員によるギャラリーツアーも実施予定。詳細については引き続き続報を待ちたい。