銀座 蔦屋書店で、市川慧の作品展「Tokyo Planetes」が開催される。会期は9月2日〜9月15日。
市川は現在東京藝術大学美術学部絵画科油絵専攻に在学中。2023年3月にアーツ千代田3331にて学生3名による自主企画展「ROOM206展」を開催している。西洋絵画の奥行きのある写実的な技法と日本の絵画表現における平面的な表現を共存させ、コラージュなど様々な技法を用いて制作を行ってきた。
市川の作品において写実的に描かれる背広姿の人物「AKIO」は、混沌とした現代社会のなかで生きる人々を彷彿とさせる。いっぽう、この「AKIO」とともにアニメ/マンガ的な表現で描かれるキャラクター達は、こうした人物を俯瞰する存在にも思える。異なる技法で描かれた人物/キャラクターを同一のキャンバスに配置するこの手法について、市川は「映画監督が彼らを演出するかのように」制作していると語る。
本展のタイトルでもある「Planetes」はギリシャ語で「さまよう人」や「惑う人」を意味し、英語の「Planet(惑星)」の語源でもある。つねに輝く恒星だけでなく、そのまわりをさまよう惑星にも目を向け、次元の違うものが共存する可能性の追求を試みる市川の作品世界が展覧される。
本展に際して市川は次のようにコメントしている。「誰もが憧れるスターではなくさまよえる多種多様な存在にスポットを当て、時には次元の違う場所にいる者たちが出合う特異点を描くことで共存の可能性をテーマに制作しました」(プレスリリースより)。