東大山中研の展示はこれで最後。最終講義に代わる「未来の原画」展が開催へ

東京大学山中俊治研究室が、山中俊治教授の退職に伴い、最終講義に代わる「最終展示」を行う。最終展示「未来の原画」展は、駒場リサーチキャンパスS棟にて、11月17日〜12月4日の会期で開催される。

Bio-likenessプロジェクトより、「Flagella」 スケッチ

 東京大学山中研究室が、教授・山中俊治の退職に伴い、最終展示「未来の原画」展を開催。駒場リサーチキャンパス内の会場にて、11月17日〜12月4日の会期で実施される。

 山中研究室は、2008年に慶應義塾大学SFCに始動し、2013年より東京大学生産技術研究所にその場を移して活動を継続。これまで、「美しい義足」「Bio-likeness」「finch alternative hand」などのプロジェクトをはじめ、テクノロジーと人の接点に関する研究を多岐にわたり進めてきた。

Bio-likenessプロジェクトより、「Flagella」 スケッチ
Bio-likenessプロジェクトより、「Flagella」
美しい義足プロジェクトより、「女性用大腿義足」
Bio-likenessプロジェクトより、「Apostroph」
Bio-likenessプロジェクトより、「Clockoid」

 本展は、山中の退任に際して同研究室の締めくくりとして行われるもの。このような場合、一般的には最終講義が催されるが、 山中俊治と山中研究室は最後も展示を行う。

 会場となる東京大学生産技術研究所S棟(駒場リサーチキャンパス内)には、研究の始まりにあった山中のスケッチの原画と、それらに導かれた30点以上のプロトタイプが展示される。さらに、アーティスト、デザイナー、漫画家、イラストレーター、コピーライターなど、多様なクリエイションの現場で活躍する24名の卒業生の作品も集結するという。

アディティブ・マニュファクチャリング・プロジェクトより、「Ready to Crawl」
INFINITIQ45 スケッチ

 展示タイトルの「未来の原画」展には、先端技術に形を与えたスケッチ、未知なる価値を体験できるプロトタイプ、そしてこれからの時代を生きる卒業生たちの活動のすべてを、未来を描くための「原画」と位置付ける同研究室の姿勢が表れたもの。

 科学と芸術の狭間で人とテクノロジーの関係を考え続けた、山中研究室の15年間の軌跡をたどる本展。訪れれば、過去を振り返りながら、未来に思いを馳せるひとときになるだろう。

 なお、会期中には、「デザインの背骨話」「美しいモノをつくるということ」「義足をデザインする」など、企画名だけで心が躍るトークイベントも開催される。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

美しい義足プロジェクトより、「Rami Ver.1」 スケッチ
美しい義足プロジェクトより、「Rami Ver.1」 

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