10月23日、渋谷駅からほど近い宇田川町に、東京都と東京都歴史文化財団が新たな施設となる「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]」をオープンさせた。
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]は、東京都初のデジタルクリエイティブに特化した創造拠点。東京都が制定した「東京文化戦略2030」を推進するためのプロジェクトのひとつとして位置づけられるものだ。
施設は全体で約380平米。ワークショップやレクチャーに対応するオープンスペースと、2つのスタジオ(ホワイトキューブとブラックアウトスペース)、そしてファブリケーション機器を設置したテックラボからなり、「CCBT Meetup」や「アート×テックラボ」「アート・インキュベーション」「未来提案型キャンプ」という4つのコアプログラムを予定。「アート・インキュベーション」では年度ごとに創作活動を行うアーティスト・フェローを公募し、支援する(初回はSIDE COREや浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山など5組が選定)。
同センターがミッションとして掲げるのは、「発見・共創・開発・連携」の4つ。ヒト・モノ・コトが交差するとともに、芸術文化とデジタルテクノロジーが交差するプラットフォームを目指すという。
東京都生活文化スポーツ局の富山由衣(文化振興部デジタル推進担当課長)は、「デジタルテクノロジーが表現の可能性を飛躍させており、都市を進化させる力を持っている」としながら、「シビック・クリエイティブが重要な概念。一人ひとりがアートやテックを通じて社会・未来に対して創造性を発揮し、アクションが取れる拠点にしたい」と意気込む。
現時点でこの事業が何ヶ年にわたるものかは不透明だが、富山はCCBTを「東京のなかあるべき存在」だとし、継続的に維持していきたい考えを示している。動き出したばかりのこのプロジェクトがどのようなかたちで都民を巻き込み、存在感を示すことができるのか。今後の動向に注目したい。