「ポケモン」と「工芸」を、正面切って出会わせたとしたらどんな「かがく反応」が起きるだろうか? そこに本気で挑んだ企画「ポケモン×工芸展─美とわざの大発見─」が、金沢の国立工芸館で開催される。会期は2023年3月21日〜6月11日。
一見意外な組み合わせだが、案外この2者の共通項は少なくない。例えば工芸の原材料や製造工程のエネルギーを挙げてみれば、土や草や金属や、水に炎に電気など、そのままポケモンのタイプといっても通用するかのようだ。さらにはポケモンを育ててわざを磨いたり、収集や交換といったシステムも工芸にかけるつくり手や愛好者の想いと重なるところが多いと言えるだろう。
今回、ポケモンとのコラボレーションに挑むのは、人間国宝から注目の若手まで20名。池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桂盛仁、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、 須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、 桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎だ。
工芸の多種多様な素材と技法でポケモンを表現した約70点の作品は、すべて初公開となる。豊かな物質感と卓抜のわざが極めたポケモンと工芸の掛け合わせ。どのような化学反応が起こるのか、注目だ。