《夜のプロヴァンスの田舎道》が16年ぶりに来日。「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(東京都美術館)
世界中で絶大な人気を誇るフィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)。その世界最大の個人収集家であったヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869〜1939)のコレクションを紹介する展覧会が、「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」だ。
ヘレーネは、ゴッホがまだ評価の途上にあった1908年からのおよそ20年間で、鉄鉱業と海運業で財をなした夫アントンとともに約90点の絵画と180点を超える素描・版画を収集。宗教的ともいえるゴッホの芸術にヘレーネは深い精神性を見出し、心の拠りどころとした。
本展では、ヘレーネが初代館長を務めたクレラー=ミュラー美術館のコレクションから、ゴッホの絵画28点と素描20点を展示。画家を志したころから繰り返し描いた素描の数々や、新印象派の影響を色濃く見せるパリ時代の《レストランの内部》(1887)、黄と青の対照がまばゆいアルル時代の《種まく人》(1888)などを展示。また、糸杉を描いたサン=レミ時代の《夜のプロヴァンスの田舎道》(1890)も16年ぶりに来日し、ゴッホの初期から晩年までの画業をたどる。
会期:2021年9月18日~12月12日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(9月20日、11月8日、22日、29日は開館)、9月21日
料金:一般 2000円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1200円
料金:一般 2000円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1200円
これまでの梅津の歩みが一堂に。「梅津庸一 ポリネーター」(ワタリウム美術館)
現代美術家・梅津庸一の個展「梅津庸一 ポリネーター」が東京・神宮前のワタリウム美術館で開幕。絵画、映像、陶芸と多岐にわたる形態の作品を発表してきた梅津の初期から現在までの作品を集めた個展となっている。
展示はワタリウム美術館の空間を余すことなく活かしながら展開していく。2階の「多孔質の夢」では、梅津自身のヌードをモチーフとした絵画作品や自身のパフォーマンスを記録した映像作品、自身の家系の歴史的背景に接続する作品などを展示。3階の「第17話、血液、太陽いっぱい」ではこれまで目にする機会が希少だった初期のドローイング作品が展示される。
会期:2021年9月16日〜2022年1月16日
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話番号:03-3402-3001
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月(9月20日、1月10日は開館)、12月31日〜1月3日
料金:一般 1200円 / 学生(25歳以下)1000円 / 大人2人 1800円 / 学生2人 1400円
なかでも注目したいのは4階の「新しい日々」だ。展示室中央の約140点の陶作品によるインスタレーション《黄昏の街》(2019−2021)や、新たな境地といえる陶板作品などからは、近年陶芸に集中して取り組んでいる梅津の現在地が見て取れる。潤沢な作品数から、美術家・梅津庸一の実像が浮かび上がる展覧会となっている。
国内美術館初の個展。「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」(ポーラ美術館)
現代美術の第一線で活躍を続けるアーティスト、ロニ・ホーンの個展「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」展がポーラ美術館で開催。国内の美術館におけるホーンの初個展であり、ポーラ美術館の大型企画展としては初めて、同時代の作家を単独で取り上げる。
ホーンは写真や彫刻、ドローイング、本など多様なメディアでコンセプチュアルな作品を制作。75年から今日まで継続して、人里離れた辺境の風景を求めてアイスランド中をくまなく旅してきた。この旅で経験した「孤独」が、作家の人生と作品に大きな影響を与えているという。
本展では近年の代表作であるガラスの彫刻作品をはじめ、1980年代から今日に至るまでの、約40年間におよぶ実践の数々が展示される。
会期:2021年9月18日~2022年3月30日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休(悪天候などによる臨時休館あり)
料金:一般 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料