「トライアローグ」から「ダブル・サイレンス」まで、今週末に見たい展覧会ベスト3

2月28日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届け。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ダブル・サイレンス」(金沢21世紀美術館)の展示風景より、マーク・マンダース《2つの動かない頭部》(2015-2016)

3館が誇る西洋美術コレクション。「トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」(横浜美術館

展示風景より、左からアンディ・ウォーホル《レディース・アンド・ジェントルメン》(1975)、《ムハメド・アリ》(1977)ほか、《マリリン》(1967)

 横浜美術館では、同館と愛知県美術館、富山県美術館の西洋美術コレクションから20世紀の西洋美術をたどる「トライアローグ」展が、2月28日に閉幕する。

 本展では約120点の作品が集結。第1章「1900s──アートの地殻変動」、第2章「1930s──アートの磁場転換」、第3章「1960s──アートの多元化」の3部構成で、表現手法と概念の刷新の過程を追う。とくに注目したいのは、パブロ・ピカソの作風の変化を追う4点の肖像画や、ハンス(ジャン)・アルプと、その創作を支えた妻ゾフィー・トイバーに光を当てる展示。またアンディ・ウォーホルの作品群や、富山県美術館が所蔵するゲルハルト・リヒターの大作《オランジェリー》(1982)も見どころとなる。

 なお横浜美術館は本展を最後に、改修工事のため長期休館に入る。この機会に、国内3館の豊かなコレクションを味わってみてはいかがだろうか。

会期:2020年11月14日〜2021年2月28日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:045-221-0300
開館時間:10:00〜18:00
料金:一般 1500円 / 65歳以上(要証明書)1400円 / 大学・専門学校生 1100円 / 中高生 500円 / 小学生以下無料
※日時指定予約制。詳細は公式ウェブサイトを参照
 

ふたりのアーティストが見せる静寂。「ダブル・サイレンス」(金沢21世紀美術館

展示風景より、左からマーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》(2011-15)、ミヒャエル・ボレマンス《オートマトⅠ》(2008) 撮影=木奥惠三 提供=金沢21世紀美術館

 美術館では世界初となるミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースによる2人展「ダブル・サイレンス」が、金沢21世紀美術館で2月28日に終了する。

 伝統的な西洋絵画の技法とテーマに強い関心を寄せ、日常に潜む不穏や危うさを描き出すボレマンスと、「建物としてのセルフ・ポートレイト」をコンセプトに彫刻やオブジェを用いたインスタレーションを生み出すマンダース。コロナ禍で来日が叶わなかったふたりだが、対話を重ねて会場構成をつくり上げていったという。

 本展では「静寂」をキーワードに、新作を含む約80点を展示。それぞれの作品が融合する空間で、静かな対話に耳を傾けたい。

会期:2020年9月19日~2021年2月28日
会場:金沢21世紀美術館 展示室7~12・14
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00) ※観覧券販売は閉場の30分前まで
料金:一般 1000円 / 大学生 600円 / 小学・中学・高校生 300円
※日付指定予約制。詳細は公式ウェブサイトを参照
 

陶磁器から浮世絵まで。「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」(サントリー美術館

展示風景より、左から《藍色ちろり》(18世紀)、《色絵花鳥文六角壺》(17世紀)

 サントリー美術館では、リニューアル・オープン記念展第3弾「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」が2月28日に閉幕する。

 同館のコレクションから、江戸時代から1900年のパリ万国博覧会までの約300年間に生み出された品々を厳選する本展。国や時代、素材を越えて文化が結びつくことで生まれた珠玉の名品を、6つの章立てで紹介する。

 会場では、陶磁器から織物、染織、ガラス、浮世絵まで、様々な作品を一堂に展示。例えば古伊万里からは、東アジア文化圏の伝統が混ざりあった形態を持つものや、人物を描いた大皿などを紹介。また、喜多川歌麿や歌川広重による浮世絵に加え、西洋風俗をとらえた「横浜浮世絵」「開化絵」、そして日本美術の意匠を取り入れたエミール・ガレによる作品も見ることができる。

会期:2020年12月16日~2021年2月28日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4(東京ミッドタウン ガレリア3F)
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料

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