日本とメキシコを拠点に活動し、現実と仮想、現代性と土着性といった相反する要素を鮮やかな色彩で表現するアーティスト、岡田杏里。その個展「Soñar dentro de la tierra / 土の中で夢をみる」が、ポーラ美術館のアトリウム ギャラリーで開催される。会期は4月17日~9月5日。
メキシコやグアテマラへの留学を経て、訪れた土地の文化や風習、非日常の風景、先住民の神話や詩を行き来しながら描くようになったという岡田。「土の中で夢をみる」という展覧会タイトルは、先史時代から育まれた豊かな文化の残るメキシコでの滞在を通じて、自身のテーマが迎えた新たな展開を示している。
見どころとなるのは、75センチメートル四方のキャンバス約33点を組み合わせた最新の壁画インスタレーション。およそ縦3メートル×横10メートルの大きさにおよぶ同作では、メキシコの地で着想を得た幻想的な森を舞台に、植物や静物、そして人間の形象が交錯する。
そのほかにも本展では、絵画・立体作品を紹介。自然と生命の関係を追求し、自然への向き合い方を問い直す岡田の色鮮やかな絵画やインスタレーションを通して、体のなかに眠る原始的な感覚が呼び起こされる体験を楽しむことができるだろう。
なお会期中同館では、「フジタ―色彩への旅」(~9月5日)、「モネ―光のなかに」(~2022年3月30日予定)が同時開催。こちらもあわせてチェックしてほしい。