EXHIBITIONS

Connections - 海を越える憧れ、日本とフランスの150年

2020.11.14 - 2021.04.04

クロード・モネ ヴァランジュヴィルの風景 1882 ポーラ美術館蔵

フィンセント・ファン・ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 1888 ポーラ美術館蔵

ポール・セザンヌ 砂糖壺、梨とテーブルクロス 1893-1894 ポーラ美術館蔵

ラファエル・コラン 眠り 1892 芸術家財団、パリ © Fondation des Artistes / Raphaële Kriegel

黒田清輝 野辺 1907(明治40) ポーラ美術館蔵

森村泰昌 肖像(ゴッホ) 1985(昭和60) 高松市美術館蔵

山口晃 新東都名所 「芝の大塔」(制作:アダチ版画研究所) 2014 ミヅマアートギャラリー © YAMAGUCHI Akira Courtesy of Mizuma Art Gallery

 ポーラ美術館は、日本とフランスの150年の「美の往還」をたどる展覧会「Connections - 海を越える憧れ、日本とフランスの150年」を開催する。

 19世紀後半〜20世紀にかけて互いに影響し合った日本とフランス。19世紀後半から盛んになるジャポニスムは、欧米の芸術に大きな刺激を与え、クロード・モネフィンセント・ファン・ゴッホなどの創作の重要なインスピレーション源となった。

 時を同じくして、黒田清輝をはじめとする日本人画学生がフランスへ留学。画学生たちが現地で学んだ美術はその後の近代日本美術の礎となり、大正期には、雑誌『白樺』を通じた日本人のゴッホ信仰、ポール・セザンヌやピエール=オーギュスト・ルノワールへの傾倒が強まるなど、異国への憧憬は芸術家たちの想像力をかき立てた。

 本展は、大量のものや情報、そして人の往来が可能となった時代に、双方の芸術が織りなした「美の往還」を、ポーラ美術館の西洋絵画・日本の洋画コレクション約80点を軸にたどる試み。なかでも黒田清輝の師ラファエル・コランによる、120年ぶりの公開となる幻の作品《眠り》(1892)が見どころのひとつとなる。

 さらに、現代の私たちも経験している異文化に対する憧れや好奇心、幻想や「ずれ」にも着目。森村泰昌がゴッホに扮するセルフポートレイトや、浮世絵を翻案した山口晃の作品、そしてフランス人の日本滞在記に想を得た荒木悠の映像作品などを、近代の作品と織り交ぜて紹介し、異文化理解の本質や魅力に迫る(会期中、展示替えあり)。