日々変貌する巨大都市「東京」を、巧みな空間把握で30年以上にわたり撮影し続ける中野正貴。2019年には、東京都写真美術館で自身の集大成となる個展を開催し、公共美術館では初の回顧的展示に注目が集まった。
一貫して中野は、「東京」を被写体に、大型カメラでの撮影にこだわってきた。過密都市の多彩な相貌を凝縮させた作品を、巨大かつ濃密なプリントで見せる。コロナウイルスが蔓延する現況を予測していたかのように、11年かけて無人の街をとらえた『TOKYO NOBODY』(2000)は、SF的な世界観によって映画や文学にも影響を与えたベストセラーだ。第30回木村伊兵衛賞を受賞した『東京窓景』(2004)では、個人の日常と窓外の社会を対比させた。
東京・乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドでは、中野の個展「Refrain-東京慕景」を開催(5月16日~6月13日)。本展には、リフレインで印象を刻む楽曲のように、スクラップ&ビルドを繰り返す東京の写真が並ぶ。今回は、コレクションにふさわしいサイズのオリジナルプリントを集めて展示するという。