アートによって都市への介入を続けるDIEGO。オン・サンデーズでの新作個展の内容とは

ストリートと現代美術を自由に行き来する活動を見せてきたDIEGOの新作個展「DIEGO:ALways Secret OK(ALSOK)」が、ワタリウム美術館のミュージアム・ショップ「オン・サンデーズ」で開催される。会期は3月27日~5月10日。

 

個展「I'm looking at you.」展示風景(OIL by 美術手帖、2020) Photo by Kazunori Harimoto 

 21世紀の都市では、次々と新しい建物が建ち、地中に至るまで交通機関が縦横に巡らされている。アーティストのDIEGO(ディエゴ)は、街に落ちていたペットボトルや紙くず、路上で見かけたネズミ、道を走る車を擬人化/文字化するなど、この都市空間に向けた様々なアイデアを作品化し、アートによる「介入」を続けてきた。

 ひとりのアーティストとして、そしてときにはアート・コレクティブ「SIDE CORE」の一員として、ストリートと現代美術を自由に行き来する活動を見せてきたDIEGO。一連のペインティングや彫刻作品は、作家を取り巻く外の世界を反映すると同時に、作家自身が触れてきた様々なカルチャーや、邂逅した人々から受けた影響を取り込みながら生み出されるという。その作品群を一空間に展開する近年の手法は、徐々に密度を増し、そこに提示される符丁めいた図像や不確かなアウトラインは、都市の隠された領域への道標になっている。

個展「I'm looking at you.」展示風景(OIL by 美術手帖、2020) Photo by Kazunori Harimoto
個展「I'm looking at you.」展示風景(OIL by 美術手帖、2020) Photo by Shin Hamada

 そんなDIEGOの新作個展「DIEGO:ALways Secret OK(ALSOK)」が、ワタリウム美術館のミュージアム・ショップ「オン・サンデーズ」で開催(3月27日~5月10日)。本展では、新作のペインティングに加えて、3次元作品や印刷物、ZINEなどの制作物が、オン・サンデーズの地下空間の至るところにインストールされる。

 本展の鑑賞者は、古代遺跡の探窟家のように作品を探し、その隠されたストーリーを見つけ出さなければならない。ユニークな仕組みで、既存の空間への侵食と変容を試みる新作に注目だ。

編集部

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