「シンコペーション」展から吉田ユニまで、今週末に見たい3つの展覧会

12月1日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展の会場風景より、セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 (2019)(C)Céleste Boursier-Mougenot

現代美術とモネやセザンヌの共演。「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」(ポーラ美術館

会場風景より、アリシア・クワデ《まなざしの間に》(2018)

 神奈川・箱根町のポーラ美術館の開館以来初となる現代美術展「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」が、12月1日に閉幕する。

 モネやセザンヌ、ピカソといった作家たちの絵画や彫刻、東洋磁器まで多岐にわたる同館のコレクションを、現代のアーティストたちの作品とともに紹介する本展。例えばプールに浮かぶ大小の陶磁器がぶつかることで音色を奏でるセレスト・ブルシエ=ムジュノのインスタレーション作品《クリナメン v.7》(2019)は、モネによる《睡蓮》(1907)とペアリング。そのほかにも音を扱った作品から、同館の周囲に広がる森で展開されるスーザン・フィリップスの《ウインド・ウッド》(2019)や、様々な陶器に反響する音を増幅させるオリヴァー・ビア《悪魔たち》(2017)に注目したい。

 加えて本展には、プリンツ・ゴラム、カンディダ・ヘーファー、アリシア・クワデ、ヴォルフガング・ティルマンス、磯⾕博史、渡辺豊、横溝静など国内外のアーティストが参加。同館の豊かなコレクションと、現代美術作品の調和をお見逃しなく。

会期:2019年8月10日〜12月1日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:大人 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料
 

鮮烈なビジュアルの源泉とは? 吉田ユニ展「Dinalog」(ラフォーレミュージアム原宿

雑誌『装苑』の連載より

 ラフォーレ原宿のキャンペーンビジュアルや、星野源、CharaといったアーティストのCD・DVDジャケットなど、幅広い分野で活動するアートディレクター/グラフィックデザイナーの吉田ユニ。その大規模個展「Dinalog」が12月1日、ラフォーレミュージアム原宿で閉幕する。

 緻密に計算され、ヴィヴィッドな色彩で鮮烈なインパクトを残すビジュアルで知られる吉田。本展ではこれまでの作品を中心に、新作グラフィックや創作過程を覗くことができるラフスケッチなどを展示。多くの人を惹きつけるビジュアルができるまでに注目したい。

会期:2019年11月15日~12月1日
会場:ラフォーレミュージアム原宿
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6階
電話番号:03-3475-0411
開館時間:11:00~21:00
料金:無料
 

上田義彦の写真と科学の出会い。「風景の科学展 芸術と科学の融合」(国立科学博物館

 東尋坊[日本] 撮影=上田義彦

 長年にわたって世界各地の風景を撮影してきた写真家・上田義彦。その写真に、国立科学博物館の研究者による解説と関連する標本を添えて展示する「風景の科学展 芸術と科学の融合」展が12月1日、国立科学博物館で終了する。

 グラフィックデザイナーの佐藤卓が企画・アートディレクションを務める本展では、その会場構成にも注目。研究者による解説の多くは、風景の背後にある時間の流れを意識したもので、自然の一瞬を切り取った上田の写真に重層的な意味を付け加えている。地球の歴史を感じ取り、自然史や科学技術史を専門とする研究者たちの目に映る風景を追体験することのできる本展に、足を運んでみてはいかがだろうか。

会期:2019年9月10日~12月1日
会場:国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
電話:03-5777-8600
開館時間:9:00~17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般・大学生 620円 / 高校生以下・65歳以上無料 ※常設展示入館料のみで鑑賞可

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