EXHIBITIONS

風景の科学展 芸術と科学の融合

2019.09.10 - 12.01

ガンジスカワイルカ 頭骨 国立科学博物館蔵 撮影=上田義彦

ハマシコロサンゴ 国立科学博物館蔵 撮影=上田義彦

ミャンマー産インドボダイジュ(クワ科) 国立科学博物蔵 撮影=上田義彦

屋久島[日本] 撮影=上田義彦

東尋坊[日本] 撮影=上田義彦

グレンコー[スコットランド] 撮影=上田義彦

ガンジス川[インド] 撮影=上田義彦

 長年にわたって世界各地の風景を撮影してきた写真家の上田義彦。その風景写真に国立科学博物館の研究者による解説と関連する標本を添えて展示し、芸術と科学の融合を図る展覧会が開催される。

 上田は1957年兵庫県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授。日本写真協会作家賞、東京ADC賞、ニューヨークADC賞など、国内外の様々な賞を受賞。代表作に、ネイティブアメリカンの聖なる森をとらえた『QUINAULT』、前衛舞踏家・天児牛大のポートレイト集『AMAGATSU』、生命の源をテーマにした 『Materia』シリーズ、30有余年の活動を集大成した『A Life with Camera』など。近著には、クイノールト・屋久島・奈良春日大社の3つの原生林を撮り下ろした『FOREST 印象と記憶 1989-2017』、1枚の白い紙に落ちる光と影の記憶『68TH STREET』がある。
 
 本展のアートディレクションを手がけるグラフィックデザイナー・佐藤卓による展示空間も見どころのひとつ。自然の一瞬を切り取った上田の写真に並置される解説の多くは、その背後にある時間の流れを意識してまとめられたもので、地球の歴史を感じ取り、自然史や科学技術史を専門とする研究者たちの目に映る風景を追体験できる。