ポーラ美術館で、開館以来初となる現代美術作家に焦点を当てた展覧会「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」が開催される(「アトリウム ギャラリー」を除く)。本展では、モネやピカソから彫刻、東洋磁器まで多岐にわたる同館のコレクションを、現代のアーティストたちの作品とともに紹介する。
展覧会タイトルの「シンコペーション(切文法)」とは、音楽のリズムを意図的にずらし、楽曲に表情や緊張感を与える手法のこと。本展では、インスタレーション、音、映像、写真、絵画など多様な表現で、過去の巨匠たちの作品に新たな角度から光を当て、様々なリズムを生み出すことを目指す。
円形プールの水面を漂うボウルがぶつかり合い、偶発的に音色を奏でるセレスト・ブルシエ=ムジュノの作品は、モネが絵画に書き留めた水面のきらめきと呼応するように展開。これまで音を扱った作品を手がけてきたオリヴァー・ビアは、様々な器の奥に響く「声」をマイクでとらえて音楽を生み出すインスタレーションを同館所蔵の東洋磁器とともに展示する。
また、「PARASOPHIA 京都国際現代芸術祭2015」に参加し話題を呼んだスーザン・フィリップスは、同館の外に広がる「森の遊歩道」で新作インスタレーションを展開。会期中には、箱根での滞在を経て制作された幻想的な音色を聴くことができる。
加えて本展には、カンディダ・ヘーファー、アリシア・クワデ、ヴォルフガング・ティルマンス、磯⾕博史、渡辺豊、横溝静など国内外のアーティストが数多く参加。同館のコレクションと多彩な作品群の共演を、ぜひ会場で体感してみたい。