田幡浩一、Nerhol、村瀬恭子、楊博によるグループ展が開催中。着想源は『空蓮房―仏教と写真 谷口昌良+畠山直哉』

田幡浩一、Nerhol、村瀬恭子、楊博によるグループ展「固定される影」が、東京・六本木のYutaka Kikutake Galleryで開催中。今秋、赤々舎から刊行された『空蓮房―仏教と写真 谷口昌良+畠山直哉』から着想を得て、「影」をキーワードに展開される展覧会だ。会期は12月14日まで。

楊博 Freddie speaking 2015 (C)Yang Bo

 今秋、赤々舎から刊行された『空蓮房―仏教と写真 谷口昌良+畠山直哉』は、「空蓮房」を敷地内に構える蔵前・長應院の住職である谷口昌良と、写真家・畠山直哉の2名が、仏教哲学をベースに、写真にとどまらず芸術や文学、哲学、そして現代社会の姿を、歴史的視点から考察したもの。谷口と畠山は、本書を通じて、現代人がこれからの時代を生き抜いていくための新しい視座を与えることを試みた。

 本書の編集を担当した東京・六本木のYutaka Kikutake Galleryは、本書で取り上げられたキーワードのなかから「影」を選び、現在、それをテーマにしたグループ展「固定される影」を開催中。会期は12月14日まで。

 参加作家は動的な要素を含む平面作品や、素材や画材の制約のもとに映像作品を制作する田幡浩一、日常生活で見落とされがちな物事が孕む多層的な存在を明かすNerhol、環境の変化に鋭敏に反応する自身の感覚を描く村瀬恭子、音楽など自身に接するポップカルチャーを描く楊博の4名だ。

 時代や受け取られる状況によって、つねに変化し続ける「影」にアプローチする本展。それぞれの作品の相互作用を楽しみたい。

編集部

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