デュシャンからジャッド、草間彌生まで。DIC川村記念美術館で「画家の彫刻」にフォーカスした展覧会が開催

ジャンルを横断し、斬新な立体作品を制作した20世紀以降の画家たち。ピカソやマグリット、デュシャン、ジャッドなど、国内外の25名の作家による平面と立体の作品を並べて展観する企画展「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」が、DIC川村記念美術館で開催される。会期は9月14日〜12月8日。

手前がサイ・トゥオンブリー《無題》(1990)、奥が《無題》(1968) DIC川村記念美術館蔵 © Cy Twombly Foundation, 2019

 20世紀の画家たちは、絵画のなかで行う様々な造形の実験を3次元化するべく、しばしば彫刻を制作してきた。そんな彼らの平面と立体の作品を並べ、キャンバスの外の試みを紹介する展覧会「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」がDIC川村記念美術館で開催される。

岡本太郎 愛 1961 川崎市岡本太郎美術館蔵

 本展では国内外の25名の作家による、約80点の作品を展示。まず1章では、キュビズムに取り組んだパブロ・ピカソやシュルレアリスムを追求したルネ・マグリットら、前衛画家たちが現実空間に生み出そうとした新たなヴィジョンを紹介する。

 また2章は、絵画というジャンルを疑い解体しようとした1960年代の作家たちを取り上げるもの。1枚の布である旗を画布に描いたジャスパー・ジョーンズや、飛び抜けた「絵画=物体観」でオブジェを制作したピエロ・マンゾーニの作品が並ぶ。

ピエロ・マンゾーニ アクローム 1961 ふくやま美術館蔵

 3章では、初期に日用品の枠に群生するソフト・スカルプチュアを生み出した草間彌生やポップ・アートの作家たち、また物体としての絵画を目指したフランク・ステラなどミニマル・アートのアーティストによる作品を紹介。そして4章では、ドローイングを撮影してデジタル分解した中西夏之をはじめ榎倉康二、五十嵐英之らの作品を見ることができる。

 なお本展では小林正人×奈良美智、長島有里枝×石田尚志によるトークイベント、また蓮沼執太によるミュージアム・コンサートなどの関連イベントも開催。こちらもあわせてチェックしたい。

ジャコモ・バッラ ”二重奏” バル・ティク・タクのバレリーナ 1920/22 ふくやま美術館蔵

編集部

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