EXHIBITIONS

世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦

2019.08.31 - 10.06

ハンドメイド絵本の製作の様子

Waterlife『水の生きもの』より

タラブックスの本の数々 写真=松岡宏大

「タラブックス」は、南インド・チェンナイを拠点とする小さな出版社。1994年に設立され、ギータ・ウォルフとV.ギータという2人のインド人女性が中心となって活動している。

 タラブックスを代表するのが、美しいハンドメイドの絵本。インド各地の多様な民俗芸術の伝統を出版に結びつけ、民俗画家による絵をふっくらとした風合いの紙に版画の技法で印刷、職人が糸で製本することで、工芸品のような本を生み出している。

 ハンドメイド本以外にも、タラブックスは多彩な本を刊行。画家、編集者、デザイナー、印刷職人らによるチームワークから生まれる本は、教育や社会問題をテーマにしたもの、本の形状に特徴があるものなど、ユニークにあふれている。

 本展は、タラブックスの本づくりの全容を紹介。日本でもよく知られている『夜の木』や『水の生きもの』などのハンドメイド本を中心に、本や原画、写真や映像などを通じて、その魅力を伝える。2017年より全国を巡回した本展は、福岡・三菱地所アルティアムが最終会場となる。