PUGMENTによる企画展第1弾。趙里奈の初個展「nursery」をチェック

美術作家/絵本作家として活動する趙里奈(ちょう・りな)の初個展「nursery」が、東京・恵比寿のPeopleで開催される。本展はPUGMENTによる企画展の第1弾。会期は8月16日〜9月15日。

趙里奈 untitled

 東京を拠点に活動するファッションレーベル「PUGMENT(パグメント)」は、2019年5月にショップとオフィスなどの機能を兼ねた新スペース「People」を恵比寿にオープン。今回、この「People」で、PUGMENTによる企画展の第1弾として、趙里奈(ちょう・りな)の初個展「nursery」が開催される。

 趙は1989年北海道生まれ。2016年頃より、スプレーや油絵具、写真、コラージュなど複数の技法や素材を組み合わせたペインティングや立体作品を制作してきた。現在は東京を拠点に活動を行っている。

 淡い色彩を用いて自然や生活、まだ見たことのない光景を好奇心旺盛に描く趙。一連の作品群には、絵画や立体を問わず、人間や動物、雲など様々なかたちをした生き物が何かを見つめる様子が描かれている。画面のなかに描かれない何かを見つめる彼/彼女らが持つ表情は、自身とは異なる何者かに対峙したときの、思考以前の言語化されることのない感情を思い起こさせる。

 美術作家であると同時に絵本作家としても活動を行う趙は、それぞれの制作プロセスを明確に区別し、美術作品を制作する際には具体的なストーリーを設定することはないという。また、ほとんどの作品タイトルを「untitled」であることや、ステートメントなどのテキストが公表されないこともあり、作品の背景にある物語が語られることはない。そんな趙の美術作品は、見る者が作品のなかに入り込むのでも、自身の経験を省みるのでもなく、「何者か」に出会った瞬間の物語や時間を想起するように働きかける。

 会期中には、展示作家の作品やドローイング、PUGMENTによるインタビューなどを編集したアートブック『People Edition』も販売される。こちらもあわせてチェックしたい。

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