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ファッションに見る新しい表現(2)「PUGMENT」
複眼的アプローチが拓く新境地

アーティストとのコラボレーションも増え、人々のファッションへの受容が拡大する現代。アーティストの美意識や思想に共感し、作品を購入するのと似た意識で衣服を選ぶ人も多いだろう。このコーナーでは、ファッションの新境地を追求する気鋭のブランドを紹介していく。第2回は、路上に落ちている衣服のディティールを熱転写プリントしたり、古着のミリタリーウェアを燃やした灰から衣服を展開する「PUGMENT」を取り上げる。

PUGMENT Fall 2019「We People Work」

 PUGMENT(パグメント)は、東京を拠点に活動するファッションレーベル。2014年に設立されて以来、人間の営みにおいて衣服が持つ価値や意味が変容するプロセスを観察し、衣服の制作工程に組み込んできた。

 これまで路上に落ちている衣服のディティールが熱転写プリントされた「MAGNETIC DRESS」や、古着のミリタリーウェアを燃やした灰でつくられた「IMAGE」など、「人・都市・社会」と衣服の関係性から出発したコレクションを制作・発表してきたPUGMENT。複眼的なアプローチでファッションを追及するPUGMENTの思想と作品は、アートシーンからも注目を注がれている。

PUGMENT Spring 2018 Photo by Arata Mino
PUGMENT Fall 2018「1XXX-2018-2XXX」 Photo by Harumi Obama
PUGMENT Spring 2019

 これまで「Spring 2019」(KAYOKOYUKI、2018)、「1XXX–2018–2XXX」(KAYOKOYUKI/Utrecht/n id a deux、2018)とギャラリーでも展示会を行ってきたPUGMENT。17年10月には、オランダの写真フェア「Unseen Amsterdam」で写真家の小林健太と協働してパフォーマンスを実施。話題を集めた。

 19年5月には、ショップとオフィスなどの機能を兼ねた新スペース「People」を恵比寿にオープン。そして今回、この「People」と「NADiff Gallery」での2会場において、PUGMENTの新作コレクションとその制作プロセスを公開する展覧会「We People Work」が開催されている。

PUGMENT Fall 2019「We People Work」

 「People」での展覧会は新作の見学と受注ができるほか、各回若干名の参加者を募集し、全10回のワークショップが行われる。ワークショップで参加者は、PUGMENTによって提示されたいくつかのテーマについて話し合い、参加者自身のための「ユニフォーム」を構想していく。

 「NADiff Gallery」の会場では、会期中に行われるワークショップの記録やアイデアの蓄積が随時公開される。新スペース「People」を舞台にした、PUGMENTの次なる実践に注目が高まる。

編集部

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