作家、演出家、画家として活動する大宮エリーは1975年大阪生まれ、東京大学薬学部卒業。広告代理店勤務を経て、日常を綴ったエッセイ集を書いて人気を博す。作家業の傍ら、ラジオのパーソナリティ一、テレピ出演、映画監督、舞台の作演出など幅広く活動。
美術家としては、2012年より体験型個展を開始。絵画制作は、同年に福武継一郎氏のモンブラン国際文化賞受賞のお祝いとして制作したライプペインティングの作品「お祝いの調べ:直島」がきっかけとなりスタートした。
2015年には個展「emotional journey」(代官山ヒルサイドテラス)、「painting dreams」(渋谷ヒカリエ8/CUBE)、2016年には美術館での初個展「シンシアリー・ユアーズ—親愛なるあなたの 大宮エリーより」(十和田市現代美術館)を開催。2018年には「六甲ミーツ・アート芸術散歩2018」や「道後オンセナート」に参加するなど各地で精力的に作品を発表し、人気と評価を集めてきた。
そんな大宮の新刊『虹のくじら』は、絵と詩で綴られた絵本のような作品集。本著は、ライブペインティングで生まれた絵画に、絵から始まる物語が添えられることで完成。構成、デザインは菊地敦己が行い、「ゆめごこちの森」「マティスとゴッホ」「アダムとイブ」といった心に寄り添うような書き下ろしの詩13編と、15点の絵画作品が収められている。
本著あとがきでは「みなさんの日々に、寄り添う気持ちで作りました。人生というキャンバスに、いい絵を描いていきましょう。何枚も、何枚も」とのメッセージを寄せている大宮。絵と言葉、生きる力に満ちた作品世界に楽しく出会える1冊を手にとってほしい。