2021年に創業140周年を迎える戸田建設が、アーティストや建築家とともに手がけるアートイベント『TOKYO 2021』。本企画は、オリンピック・パラリンピック以降の日本を考える機会として、超高層ビルへの建て替えを目前に控えた東京・京橋の戸田建設本社ビルを舞台に開催される。
本企画は、8月3日からの建築展「課題『島京2021』」と、9月14日からの美術展「un/real engine - 慰霊のエンジニアリング - 」の2期に分けられる。建築展の開催を目前に控え、ビルのファサードには、藤元明による巨大なアートワーク《2021》が出現。会期最終日まで、多くの人が集う場のランドマークとして本企画を盛り上げる。
建築家であり東京藝術大学の建築科で教鞭を執る中山英之、藤村龍至による建築展は、「島京2021(TOKYO2021)」と題された課題を軸に展開。公募によって選出された13名の建築家とともに約1か月の展示期間を通じて制作と議論を実施し、「考える現場」としての展覧会を提案する。会期中の8月4日から8月23日に公開ワークショップ、最終日となる8月24日には公開講評会が行われる。
いっぽう黒瀬陽平がキュレーター、西澤徹夫が会場構成を務める美術展は、20年の東京オリンピックと25年の大阪万博という2つの「祝祭」に向けて企画されたもの。参加作家には、会田誠や飴屋法水、磯村暖、中谷芙二子、高山明といった数多くの著名なアーティストが名を連ねる。64年の東京オリンピック、70年の大阪万博前に起こった原子爆弾の投下や第二次世界大戦敗戦、そして2011年の東日本大震災を踏まえて、反復される祝祭と災害のなかで新たな想像力や表現を生み出す芸術の営みの系譜をたどる。
このほか「2021年以降を考える」ことに賛同するファッション・ブランドやフードカンパニー、そして大学研究機関が期間中にユニークな展開を見せる。森永邦彦率いるファッションブランドの「アンリアレイジ」は、時代を映す鏡という視点から「鏡の向こうに透ける景色」を構想。「透鏡 2021」と題して、21年以降の東京の景色をアンリアレイジ独自のテクノロジーで映し出すことを試みる。