2019.7.21

今年は「関口光太郎 in BEPPU」。世界各地の文化や動物をモチーフに取り入れた市民参加型の大作を発表

別府の地域性を活かしたアートプロジェクトを実現する個展形式の芸術祭「in BEPPU」。4回目を迎える今年は、新聞紙とガムテープを用いた作品を手がけるアーティスト・関口光太郎に決定した。会期は9月21日~11月10日。

関口光太郎 大人魚姫 2013
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 毎年、国際的に活躍する1組のアーティストを別府に招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを実現する個展形式の芸術祭「in BEPPU」。第4回となる今年の招聘作家は、気鋭の若手作家・関口光太郎に決定した。

 関口は1983年生まれ。多摩美術大学彫刻科を卒業。幼少期より新聞紙とガムテープを用いた制作を始め、現在も特別支援学校「旭出学園」で教員を務めながら、新聞紙とガムテープを用いた作品を手がけている。

 大学の卒業制作《瞬間寺院》が、デザイナー・三宅一生の目に留まり、2008年に東京ミッドタウンで開催された同氏による企画展「XXIc.-21世紀人」に最年少作家として参加。12年には第15回岡本太郎賞を受賞するなど、いま注目を集める若手作家だ。

 上述の展覧会以外にも「デザインあ」(東京ミッドタウン、2013)や、「あちらの世界?こちらの世界??」(広島市現代美術館、2016)、「岡本太郎と今日の芸術」(アーツ前橋、2018)など、話題のグループ展に参加してきた関口。

関口光太郎によるプランドローイング《混浴へ参加するよう世界を導く自由な薬師如来》(仮)

 今回、「in BEPPU」で関口は、会期前から開催するワークショップによって成長し続ける市民参加型の作品《混浴へ参加するよう世界を導く自由な薬師如来》(仮)を発表。ワークショップで市民が制作した作品を取り込みながら、横幅25メートル、奥行き15メートルの過去最大規模の作品を展示する予定だ。

 薬師如来像と、世界各地の文化や動物をモチーフに取り入れたという本作は、多文化が共生する世界のイメージから構想されたもの。トンネルのような構造になっており、鑑賞者は作品内部を巡ることでより深い鑑賞体験ができるという。

 また会期中は、美術評論家を招いたアーティストトークや、関口自身が講師となるワークショップなど複数のイベントの開催が予定されている。