田名網敬一の現在を紐解く展覧会がギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催。22点の新作プリント作品も展示

1960年代から半世紀以上にわたって、アートシーンを牽引し続ける画家・田名網敬一の現在を紐解く展覧会「田名網敬一の観光」が、東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催される。会期は7月5日~8月21日。

本展フライヤー Designed by Keiichi Tanaami

 グラフィックデザイナー、イラストレーター、アーティストと、メディアやジャンルにとらわれない表現活動を行っている田名網敬一。1960年代から半世紀以上にわたって、アートシーンを牽引し続ける田名網の現在を紐解く展覧会「田名網敬一の観光」が、東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催される。

 近年、田名網は、自身の記憶や夢を原風景にして80年以上もの歴史を記した曼荼羅図の制作に取り組んでいる。一見すると奇怪でありながらもポップな妖怪画のような近作には、田名網の実体験に基づく様々な記憶が描かれる。

 アメリカンコミックを引用したアメリカの爆撃機や、その中で光を放つ擬人化された爆弾、威嚇するように蠢めく鶏や金魚などは、田名網が幼少期に実際に体験した戦争の記憶に深く関係するもの。そのほかにも画面には、田名網が敬愛するアーティストたちの作品やSF雑誌、マンガのキャラクターなどの引用も数多く発見することができる。

 それらの引用は田名網とポップ・アートとの関係性を示すいっぽうで、作品を通じて戦争の経験などの自身の記憶をポジティブなものへと変換しようとする作家の自然な姿を映し出している。

 本展は、22点の新作プリント作品、アニメーション、立体作品から、ファッションブランドとのコラボレーションアイテム、出版物、プロダクトアイテムなどで構成。現在の田名網のクリエーションを網羅する内容となる。2018年8月に京都dddギャラリーで開催された個展「田名網敬一の現在」から1年を経て、さらに深化した田名網の作品世界を楽しみたい。

編集部

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