2019.6.22

塩田千春からトム・サックスまで。今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会と6月23日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

森美術館のエントランスに展示された、塩田千春《どこへ向かって》(2019)
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20年間の活動を振り返る大規模個展。「塩田千春展:魂がふるえる」(森美術館

展示風景より、《不確かな旅》(2016)

 ベルリンを拠点に世界各地で活動を続けるアーティスト・塩田千春の過去最大規模の個展が今週スタートした。

 72年生まれの塩田はこれまでマリーナ・アブラモヴィッチやレベッカ・ホルンに師事。空間に糸を張り巡らせた展示や、履き古された膨大な数の靴を使った作品など、大規模なインスタレーションで知られており、その根底には「生きることとは何か」「存在とは何か」といった問いがある。

 副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを、他者にも伝えたいという思いが込められているという。展覧会オファーを受けた約2年前に癌の再発を告げられ、闘病を続けながら準備を進めてきた本展の総展示作品数は113点で、うち18点が新作。今年もっとも重要な展覧会のひとつと言える本展をお見逃しなく。

会期:2019年6月20日~10月27日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~22:00(火 〜17:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 65歳以上 1500円 / 高校・大学生 1200円 / 4歳~中学生 600円

 

ギュスターヴ・モローが描いた女たち。「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」(パナソニック汐留美術館

展示風景より、ギュスターヴ・モロー《一角獣》(1885)

 フランス象徴主義を代表する画家ギュスターヴ・モロー(1826〜1898)。東京・パナソニック汐留美術館で23日に閉幕する「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」展は、パリのギュスターヴ・モロー美術館の所蔵作品のなかから、女性をテーマにした作品を一堂に集め、身近な女性からファム・ファタル(宿命の女)まで多様な女性像を紹介し、新たな切り口でモロー芸術に迫るものだ。

 ギュスターヴ・モロー美術館全面協力のもと、《出現》や《エウロペの誘拐》(1868)、《一角獣》(1885頃)などモローの代表作を含む油彩、水彩、素描など約70点が揃う本展でモローの幻想的な世界を堪能したい。

会期:2019年4月6日〜6月23日
会場:パナソニック 汐留ミュージアム
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水
料金:一般 1000円 / 65歳以上 900円 / 大学生 700円 / 中学・高校生 500円 / 小学生以下無料

 

茶の湯の世界を独自に解釈。「トム・サックス ティーセレモニー」(東京オペラシティ アートギャラリー

キャプション

 ブランドロゴやキャラクターといった現代社会のアイコンを用いたアイロニカルな彫刻作品で知られるニューヨーク在住のアーティスト、トム・サックス。現在、京オペラシティ アートギャラリーで開催中のサックスの大規模個展も6月23日に閉幕を迎える。

 本展は、2016年にイサム・ノグチ美術館で行った個展「Tom Sachs: Tea Ceremony」をブラッシュアップしたもの。2012年から本格的に茶道を学び始めたサックスが、イサム・ノグチの「古い伝統の真の発展を目指す」という姿勢に着想を得た、独自の「茶の湯」の世界を展開する。工業用素材や日用品などで自作された茶道具からなる「彫刻の展覧会」に注目したい。

日時:2019年4月20日〜6月23日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
電話番号:03-5777-8600
休館日:月(祝日の場合は翌火、ただし4月30日は開館)
入場料:一般 1400円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料