東京・日本橋の「三井本館」が、今年で開館90周年を迎える。同館は財閥の拠点として1929年にオープンし、その後の98年、複数の企業が入居するオフィスビルとしては初の重要文化財に指定。現在も企業が入居しているほか、7階には三井家が収集した美術品を収蔵する三井記念美術館が位置する。
そんな同館の開館90年を記念して、「三井本館Mitsui Main Building TOKYO 1929-2019|写真・ホンマタカシ」が開催される。
ル・コルビュジエや丹下健三など、様々な名建築を撮影してきたホンマ。本展ではカメラ・オブスキュラを使った撮影のほか、竣工当時のアーカイブと現在の写真を混在させて編集したものなど、意欲的な作品を発表。これまでの作品のなかでも最大級の大きさで展示を行う。
会場は「合名玄関」と呼ばれるオフィスのエントランスと、同館に隣接する「日本橋三井タワー」の1階アトリウム。大理石の重厚なインテリアや当時の佇まいが残る空間と、作品の響き合いに注目したい。
また会期中には、外壁に巨大写真が掲出。同作は、同館の開館当時の写真をホンマが独自に再撮影したもの。加えて日没から23時までは、光を用いた作品を多く手がけるアーティスト・高橋匡太のデザインによるライトアップが施され、夜の「三井本館」も楽しむことができる。