ジュリアン・オピーの現在形。日本の美術館で11年ぶりの個展が、東京オペラシティ アートギャラリーで7月開催へ

点と線という最小限の要素によって、生き生きとした人物像や風景を表現するジュリアン・オピー。日本の美術館では11年ぶりとなる個展が東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される。会期は7月10日〜9月23日。

ジュリアン・オピー Walking in New York 1 2019

 ジュリアン・オピーは1958年イギリス・ロンドン生まれ。80年代よりヨーロッパのアートシーンで頭角を現し、点・線という最小限の視覚言語によって、生き生きとした人物像や風景を表現してきた。世界の主要な美術館に作品が所蔵され、現代美術を語るうえで欠かせないアーティストのひとりでもあるオピーの個展が、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて日本の美術館では11年ぶりに開催される。

ジュリアン・オピー Running 1 2018

​ オピーといえば、目を黒い点で表現した、シンプルながらもモデルの個性や性格を的確に伝えるようなポートレイトを思い浮かべる方も多いだろう。しかし近年のオピーの作品では、人物の全身を側面から表現した作品が多く、はっきりとした輪郭線と透明感のある平明な色彩による表現は以前のままながら、顔はただ丸く描かれ、単純化、簡略化の傾向を強めている。それは《Tattoo》《Headphone》《Phone》といった作品タイトルも同様であり、一連の試みによって、世界のどの都市にも見られる普遍的な人物を描いているといえるだろう。

ジュリアン・オピー Telephone 2018

​ LEDによって動きを表した《Running 1》《Running 2》などでは、表現 はさらに単純化。会場内にBGMのように聴こえてくる音楽もオピーの作品の一部となっている。

 また、グラフィックデザインやピクトグラムともシンクロするオピーの平面作品は、絵画という枠にとどまらないハイブリッドさが魅力。日本の浮世絵やアニメのセル画のコレクターとしても知られ、その影響を感じることができるだろう。

ジュリアン・オピー Towers 1 2018

 本展では、作家自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成し、作家の現在を紹介。平面作品と立体作品に大胆に分けられた会場構成とともに、最新の作品世界を存分に楽しめる機会をお見逃しなく。

 

編集部

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