テーマは「キャンプ」。
メトロポリタン美術館「Camp: Notes on Fashion」が見せるファッションの競演

メトロポリタン美術館の衣装研究所(コスチューム・インスティチュート)が開催してきたファッションの展覧会。今年はスーザン・ソンタグの「キャンプ」の概念を起点とした展覧会「Camp: Notes on Fashion」が行われることがわかった。会期は5月9日〜9月8日。

Ensemble, Jeremy Scott (American, born 1975) for House of Moschino (Italian, founded 1983), spring/summer 2018 Courtesy of Moschino Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art Photo © Johnny Dufort, 2019

 ニューヨークのメトロポリタン美術館で、同館の衣装研究所(コスチューム・インスティチュート)が毎年開催してきたファッションの展覧会。2019年は「Camp: Notes on Fashion」と題した展覧会が5月9日から9月8日にわたって開催される。

 本展タイトルの「Camp(キャンプ)」とは、不自然で人工的、あるいは誇張されたものを好むあり方を意味する。スーザン・ソンタグが論考「キャンプについてのノート」などで提唱する、フランス語の「se camper(仰々しいファッションでポーズをとる、挑発的に振る舞う)」に由来する概念だ。

Ensemble, Alessandro Michele(Italian, born 1972)for Gucci(Italian, founded 1921), fall/winter 2016–17 Courtesy of Gucci Historical Archive Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art Photo © Johnny Dufort, 2018

 本展は、その「キャンプ」が持つ豊かな美学的思想の起源を探るとともに、その周縁的なスタイルが、いかにメインストリームの文化へと影響を与える感性へと発展したかを読み解く。

 出品作品は、婦人服、紳士服、彫刻、絵画、17世紀から現在までの絵画など約200点。参加デザイナーは、ヴァージル・アブロー(Off-White)、クリストバル・バレンシアガ(Balenciaga)、トム・ブラウン(Thom Browne)、サラ・バートン(Alexander McQueen)、カール・ラガーフェルド(Chanel、Chloé、Fendi)、川久保玲(Comme des Garçons)、高橋盾(Undercover)、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)など約60組。

Ensemble, Bertrand Guyon (French, born 1965) for House of Schiaparelli (French, founded 1927), fall/winter 2018–19 haute couture Courtesy of Schiaparelli Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art Photo © Johnny Dufort, 2019

 また、衣装研究所の資金集めと、展覧会のオープニングを祝すために1948年より年に1度行われ、「ファッション界のアカデミー賞」とも称される「METガラ」は5月6日に開催される。セレブリティたちは「Camp: Notes on Fashion」のテーマでどのようなファッションを見せるのか? 美を競うこのオープニングイベントにも期待が集まっている。

Ensemble, Jun Takahashi(Japanese, born 1969)for Undercover(Japanese, founded 1990), fall/winter 2017–18; The Metropolitan Museum of Art, Purchase, Friends of The Costume Institute Gifts, 2017 (2017.399a–d) Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art Photo ©Johnny Dufort, 2019

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