往復書簡から導かれたキーワードをもとに。伊庭靖子、児玉靖枝、袴田京太朗によるグループ展「悪魔的な」をチェック

伊庭靖子、児玉靖枝、袴田京太朗の3人展「悪魔的な」が、東京・恵比寿のMA2 Galleryで開催される。展覧会タイトルの「悪魔的な」とは、3名がそれぞれの作家へ、質問・返答しあった往復書簡から導かれたキーワードだ。会期は6月8日〜7月6日。

伊庭靖子 Untitled 2018-02 撮影=木奥惠三 Keizo Kioku Courtesy of MA2 Gallery

 伊庭靖子、児玉靖枝、袴田京太朗の3名によるグループ展「悪魔的な」が、東京・恵比寿のMA2 Galleryで開催される。

 伊庭は、果実や寝具、器などをモチーフに自ら写真を撮影し、それをもとに写実的な絵画を描く画家。7月20日からは、上野の東京都美術館での個展「伊庭靖子展 まなざしのあわい」を控えている。児玉もまた画家であり、自然のなかにふと現れる陰影や奥行きをともなった存在や、またその気配を認識する以前の感覚を絵画で表現。ベニヤ板やプラスチック、電気コードなどを不思議なバランスで組み合わせる彫刻家の袴田は、彫刻の表面と不可視の内部との関係性を探ってきた。

 本展のタイトルとなっている「悪魔的な」とは、3名がそれぞれの作家へ、質問・返答しあった往復書簡のなかで集約されていったキーワード。作家同士でしか共有し得ない複雑な思考に触れ、普段は明かされることのない言葉にしがたい思考、とくに制作における「痛みを伴う選択」について意見を交わすなかで、いつしかそれが「悪魔的な」という言葉に集約されていったという。これをテーマに展開される本展では、一見爽やかであったり、静謐だったり、ポップに見える作品の裏側を知ることができる。 

袴田京太朗 立つ女 - 複製 2016 Courtesy of the Artist

編集部

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