横田大輔は1983年埼玉県生まれ。第2回写真「1_WALL」グランプリ(2010)や、オランダ・アムステルダムの写真フェア「Unseen」でのOUTSET|UNSEEN Exhibition Fund(2013)、フォーム・ポール・ハフ・アワード(2016)を受賞するなど、国内外で高く評価される写真家だ。
記憶と現在、イメージと現実の関係性を制作のテーマに据える横田。日本のみならず、アムステルダムのFoam写真美術館で2度の個展を開催したほか、テート・モダンやポンピドゥ・センター・メスでのグループ展やあいちトリエンナーレ2016などの芸術祭にも参加してきた。
そんな横田の日本では3年ぶりとなる個展「Room. Pt. 1」が、銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。本展は、同ギャラリーが主宰する公募展の入選者たちの、その後の活躍を紹介する展覧会シリーズ「The Second Stage at GG」の50回目となる。
本展は、平面作品だけではなくインスタレーションやマルチ・チャンネルの映像によって構成される。一連の作品群には、横田が長年にわたって定点観測のように撮影してきたホテルの部屋や訪れた洞窟、旅をした土地の風景が登場。
過去や記憶は固定化されたものではなく、それを想起する主体である自身の状態によって変化していくものだという横田。本展を通じて、何か特定の「支持体」に定着したイメージは一時的な姿に過ぎず、様々なメディア間を転移し、ときに少し姿を変えながら鑑賞者の前に現れるということを示す。