2019.4.6

ギュスターヴ・モローから春画まで、今週末に見たい3つの展覧会

4月7日までに終了する展覧会と今週始まった展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

展示風景より、ギュスターヴ・モロー《一角獣》(1885)
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幻想世界を堪能。「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」(パナソニック 汐留ミュージアム

展示風景より、手前は《出現》(1876頃)

 フランス象徴主義を代表する画家、ギュスターヴ・モロー。その作品を、ギュスターヴ・モロー美術館の所蔵品から一堂に紹介する大規模展覧会「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」がパナソニック 汐留ミュージアムで4月6日にスタートした。

 約70点からなる本展はテーマを「女性たち」に絞り、回顧展というよりもテーマ展の側面が強い。オープニングに来日したルオー美術館事務長のダヴィッド・レン・シモアンも「ファム・ファタルというテーマの展覧会は初めてです」と言う貴重な本展をお見逃しなく。

会期:2019年4月6日〜6月23日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水(ただし、5月1日、6月5日、12日、19日は開館)
料金:一般 1000円 / 65歳以上 900円 / 大学生 700円 / 中学・高校生 500円 / 小学生以下無料 ※5月18日は国際博物館の日で入館無料

 

幻の作家がつくり出すイメージ。「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」(東京都庭園美術館

展示風景より、《夜間訪問》

 わずか7年間の作家活動を経て姿を消したため、「幻のコラージュ作家」としても知られる岡上淑子。そのイメージの源泉を探る展覧会が4月7日に幕を閉じる。

 岡上は1928年高知県生まれ。日本でシュルレアリスムを主導した瀧口修造に見出され、マックス・エルンストの影響を受けてその表現は奥行きを広げていった。本展では、雑誌『LIFE』や『VOGUE』を素材とした岡上作品と結びつく50年代ファッションも紹介。ディオールやバレンシアガといったデザイナーの登場で百花繚乱の様相を呈した時代に制作されたドレスも参考展示される。

会期:2019年1月26日〜4月7日
会場:東京都庭園美術館 本館、新館ギャラリー1
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(4月6日 〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:第2・第4水
料金:一般 900円 / 大学生 720円 / 中学・高校生 450円 / 65歳以上 450円 / 小学生以下無料

 

春画、現代の写真作品が競演。「ピエール セルネ & 春画」(シャネル・ネクサス・ホール

会場風景

 世界的に大きな注目を集める「春画」。その代表作とともに、フランス人パフォーマンスアーティストであり写真家のピエール・セルネの写真作品をともに紹介する展覧会「ピエール セルネ & 春画」も4月7日に幕を閉じる。

 これまでの「春画展」でも主導的な役割を果たしてきた浦上蒼穹堂天守・浦上満の個人コレクションより、浦上自身が「もっともよい作家のもっともよい作品を集めた」という珠玉の春画。そして文化的、民族的に異なる背景を持つ、個人あるいはカップルのヌードを被写体とした、ピエール・セルネによる写真シリーズ「Synonyms(類似表現)」が並ぶ本展。「覗き窓」を思わせるような丸窓が設けられた会場デザインにも注目してほしい。

 また、前期と後期で展示替えも行われているため、後期のみで紹介される作品もチェックしてほしい。

会期:2019年3月13日〜27日(前期)、3月29日〜4月7日(後期)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
開館時間:12:00〜19:30